新紙幣発行 対応進む 金融機関支店 あす以降順次窓口で取り扱い 機器更新遅れるケースも 気仙
令和6年7月4日付 1面

約20年ぶりとなる新紙幣の発行が3日に始まり、気仙でも新紙幣を扱える機器への切り替えなど対応が進んでいる。気仙にある主要な金融機関では、早いところで5日(金)に取り扱いが始まる見通し。ただ確保できる紙幣が当初は限られることから、当面、ATMよりも窓口での引き出しや両替で優先して扱う方針で、旧紙幣との混在も想定される。全国的なニーズの高まりから券売機などの更新が間に合わないケースもみられ、しばらくは旧紙幣が手放せなさそうだ。(高橋 信、佐藤 壮)
気仙にある金融機関では、地銀のうち北日本銀行、東北銀行の各支店が5日から、岩手銀行の大船渡、高田両支店がともに8日(月)から、窓口で新紙幣を扱う予定。いずれも預金を引き出す際などに在庫があれば新紙幣で対応する。旧紙幣との両替や新紙幣に指定して預金を払い戻す際、手数料がかかる場合がある。
各行いずれの支店もATMにおける新紙幣の対応はすでに済ませているが、十分に流通するまでは新紙幣の出金はしないこととしている。
気仙沼信金の大船渡、高田両支店は、5日から窓口で対応する。ただし、新紙幣の両替などは当面、1日1回10枚までに制限する。
地銀のある担当者は「発行が始まれば新券の関心が高まることが考えられ、希望にはできる限り応えたいが、流通の時期が具体的に示されておらず、在庫の中で可能な対応をするということになる」と理解を求め、「新紙幣に更新されるのはまだ時間がかかるため、当面はこれまでの紙幣との混在が続くだろう」と見据える。
大船渡市農協(JAおおふなと)は、本店・支店すべてのATMの対応を完了。新紙幣を確保できる時期は未定で、大澤勇希常務理事は「届き次第、対応を進めたい」としている。
陸前高田市気仙町の道の駅高田松原では、物販エリアに置く自動釣り銭機の改修が完了。しかし、館内にある飲食2店舗の券売機は、部品不足を理由にメーカーから更新時期が示されていないといい、スタッフは「需要増を見込んで早めに注文していたが、仕方がない。メーカーの準備を待つばかりだ」と話している。
自動販売機による清涼飲料水販売業の㈱ミチノク(本社・奥州市)大船渡支店によると、気仙3市町における同社設置の自販機は6、7割程度の更新が完了。久慈充支店長は「おおむね順調にシステムを切り替えられている。残りも順次新紙幣対応にしていく」と語る。
大船渡市盛町のサン・リアショッピングセンターでは、各店舗の売上金を管理する入金機や両替機は、新紙幣に対応済み。一方、9台ある飲料などの自動販売機のうち、4台の更新を終えた。残りは部品不足で、9月ごろをめどとするものもあるという。3日午前は、買い物客の目立った混乱や問い合わせはなく、新紙幣による支払いも見られなかったという。
1万円札、5000円札、1000円札のデザイン一新は、平成16年以来約20年ぶり。旧紙幣は引き続き、使用することができる。
新1万円札の肖像画は、「日本の資本主義の父」と呼ばれる実業家の渋沢栄一が描かれ、昭和59年に聖徳太子が福沢諭吉になってから40年ぶりの変更となる。5000円札は津田塾大学を創設した津田梅子、1000円札は破傷風の予防・治療法を開発した北里柴三郎になる。
偽造防止のための世界初の技術を採用。コピー機で再現できない極小な文字や高精細の透かしのほか、見る角度によって肖像の図柄が変わる3Dホログラムも取り入れている。