6年ぶりに精鋭の放水 大船渡で消防操法気仙地区大会 矢作(ポンプ車)、長崎・外口(小型ポンプ)制す(別写真あり)

▲ 火点に向かっての放水など、訓練成果を発揮

 第43回県消防操法競技会気仙地区支部選考会(県消防競技会気仙地区支部主催)は7日、大船渡市大船渡町欠ノ下向地内の県有地で行われた。コロナ禍前となる平成30年以来の開催で、気仙両市の各競技会で上位に入った計8チームが出場。ポンプ車は陸前高田市の矢作分団が53年ぶり、小型ポンプは大船渡市の5分団1部(赤崎町長崎・外口)が8年ぶりに優勝。両チームは、28日(日)に矢巾町で開かれる県大会に出場する。(佐藤 壮)

 

県大会出場を決め、激励を受ける団員たち

 支部競技会は、消防機器の取り扱い操作の基本を培い、消防技術の向上や士気の高揚を図ろうと隔年開催している。令和2年は県大会が中止となり、4年も各市町・支部大会が見送られ、6年ぶりの開催となった。
 陸前高田市では先月9日に、大船渡市では同23日にそれぞれ競技会を開き、代表チームが決定。手びろめによる二重巻きホース2線延長のポンプ車の部、二重巻きホース1線延長の小型ポンプの部いずれも、気仙両市から2チームが出場した。
 市大会とは異なり、約10㍍先の火点に向かって放水も実施。選手たちは仕事を終えた夜間などに集まって練習を重ね、速さや正確さ、連係のスムーズさなどに加え、水圧への対応にも磨きをかけた。
 時折降雨に見舞われ、蒸し暑さが広がる一日となったが、競技開始前の開会式時から、各消防後援会幹部や選手の家族、地域住民らが多数来場。義勇愛郷の精神を胸に臨む選手たちの勇姿を見守った。
 ポンプ車で優勝を飾った矢作分団指揮者の村上晃班長(47)は「地域の皆さんに支えられて、ここまで来ることができた。次は気仙の代表として頑張りたい」、小型ポンプを制した5分団1部指揮者の大畑大斗班長(33)は「仲間や家族のおかげ。確実性だけでなくタイムも縮めて、県大会でも優勝を狙いたい」と、それぞれ話していた。
 県大会は28日、矢巾町の県消防学校で開かれる。小型ポンプの部は今年10月、宮城県で全国大会も予定されている。
 表彰式後には、選考会の大会長を務めた大船渡市消防団の大田昌広団長が、「訓練で培った心と技に加え、意地とプライドをかけて、地域の栄誉のために力を発揮してほしい」と、激励の言葉を贈った。
 各部の順位と、優勝チームのメンバー次の通り。
 ▽ポンプ車の部①陸前高田市消防団矢作分団(指揮者・村上晃、1番員・小林文也、2番員・熊谷卓、3番員・菊池雄大、4番員・村上俊介、補欠・佐々木翼、佐藤貴洋)②大船渡市消防団5分団2部(赤崎町)③陸前高田市消防団米崎分団2部④大船渡市消防団3分団2部(大船渡町)
 ▽小型ポンプの部①大船渡市消防団5分団1部(赤崎町、指揮者・大畑大斗、1番員・熊谷颯也、2番員・磯谷慎太郎、3番員・袖野剛嗣、補欠・志田大空)②同8分団3部(立根町)③陸前高田市消防団気仙分団4部④同高田分団1部