ヒラメ種苗の出荷始まる 県栽培漁業協会 県内漁協に約110万匹を計画(別写真あり)

▲ ヒラメ種苗の出荷作業にあたる職員ら

 大船渡市末崎町の一般社団法人県栽培漁業協会(大井誠治会長)は8日、ヒラメ種苗を本年度初出荷した。同日は、広田湾漁協に6万7000匹を出荷し、放流も行われた。同協会では8月下旬までに、県内各漁協に合わせて前年と同規模の約110万匹を出荷する計画。
 同協会は平成6年、安定した栽培漁業を推進する組織として設立。門之浜ではアワビやヒラメ、アユなどの種苗を手掛けている。
 4月下旬に、協会内で養成したヒラメの親魚から採卵してふ化させ、飼育した種苗を県内漁協に供給。ここ数年は、110万匹規模の出荷が続いている。
 同日は、同協会の職員らが5㌢ほどに育ったヒラメの種苗を、水槽からバケツに移して計量し、トラックのタンクに積み込んだ。広田湾漁協管内の六ヶ浦、脇ノ沢各漁港から放流され、海で約1年かけて成長し、漁獲サイズの30㌢以上となる見込み。資源管理のため、30㌢未満のサイズは採捕禁止となっている。
 同協会の山口浩史専務理事は「今年のヒラメ種苗は順調にきている。冬に水温が下がらず、卵を産むか心配していたが、ちゃんと産んでくれて良かった」と話していた。
 ヒラメは試験放流を経て、13年度から100万匹を超える増産体制に入った。東日本大震災から復旧し、28年度以降は110万匹程度を維持している。
 県水産技術センター水産情報配信システムによると、昨年の県内のヒラメの水揚げ量は122㌧で、前年から約6㌧減少。関係者らは、ヒラメの豊漁を願うとともに、資源量確保にも期待を込める。