換金総額1.6億円超に 市のプレミアム付商品券事業 利用頻度少ない店舗での消費も
令和6年7月9日付 1面
大船渡市が今年3月から販売した第3弾のプレミアム付商品券事業で、消費者利用に伴う6月末までの換金額は、流通額の73・35%に当たる1億6680万円となった。購入者アンケートでは、半数以上が今まで利用頻度が少ない店舗で購入するなど、地元消費の〝掘り起こし〟も見られる。利用期間は9月1日(日)まで。商品券や定額減税をバネとした消費拡大に向け、店舗・事業所の積極的なアピールが期待される。(佐藤 壮)
プレミアム付商品券事業は、エネルギーや資材、食料品の価格高騰などによる事業者や市民生活への影響を緩和し、地域消費の下支えを図ろうと実施。通常販売期間でみると、新型コロナウイルスの影響対策として実施した令和4年2~3月、同年12月~5年1月以来の第3弾となった。
7000円分の商品券1セット(500円の商品券14枚)を5000円で販売し、プレミアム率は40%。商品券1セットの内訳は、市内の小規模店舗で使用できる「専用券」と、小規模店舗に加え大型店舗でも使える「共通券」が各7枚。専用券は市内400を超える店舗・事業所で使用可能。共通券はさらにスーパーマーケットやドラッグストアなど大型店を中心とした約20店舗でも利用できる。
市や事業を受託している大船渡商工会議所によると、3~4月の1次販売では約4800世帯が計1万3031セットを購入。当初販売購入者のうち、希望者を対象とした5~6月の追加販売数は1万9457セットだった。計3万2488セットで、2億2700万円超となる45万4832枚が流通した。
6月末における専用券の換金状況は16万1131枚で、金額は8057万円。共通券は17万2467枚で、金額は8623万円となっている。
専用券と共通券の合計は33万3598枚で、金額は1億6680万円。換金率は73・35%に伸びた。いずれも追加販売開始後の5月後半から増えている。
専用券は、ガス・ガソリン・石油製品、食料品・酒・コンビニ・菓子を取り扱う事業者で約半数が換金された。飲食・弁当・仕出しでも一定の利用がある。共通券は大半が大型店で占めている。
追加販売に合わせて、購入者にアンケートを実施。9割近くが1万円未満の日常的な買い物・サービスで使用し、食料品や飲料での消費機会の多さが浮かび上がった。
また「普段利用しない店舗や、今まで利用したことがない店舗で使った」「いつもより買い物・サービスの支出額が増えた」と回答した割合が、いずれも半数超となった。新たな消費開拓に一定の効果がうかがえる。
一方で、約6000万円分が換金されておらず、購入者の多くが使い切っていない現状も浮き彫りに。さらに、今月19日(金)まで、追加購入を希望した中から875世帯を対象に「再追加販売」を実施。約1500セットを販売する。
利用期間は9月1日まで。今後は中元需要や帰省客対応・飲食が予想される時期と重なるほか、先月からは定額減税が本格化。大船渡市内だけでも十数億円分の還元が見込まれる。
さらに市は、今月22日(月)購入分から、家庭のエアコンや冷蔵庫、給湯器を省エネ型に買い替える市内世帯に対し、最大5万円分を助成する。こうした物価高騰支援策と連動した地域経済活性化に向け、市や商工会議所では各事業所の積極的なPRに期待を込める。
市内の取り扱い加盟店は、商品券販売時に一覧表を配布しているほか、大船渡商工会議所のホームページでも掲載。問い合わせは、同商議所(℡26・2141)へ。