資源管理の参考に 気仙川漁協 アユの遡上調査実施

▲ 60匹を超えるアユが捕獲された遡上調査

 気仙川漁協(小山公喜組合長)は8日、陸前高田市内の同川でアユの遡上調査を行った。アユの遡上傾向、天然か人工ふ化かの推測などに役立てようと6月に調査を開始しており、今回で3回目。この日の調査では多くのアユが捕獲され、関係者は今月1日に解禁したアユ釣りの豊漁にも期待を寄せる。
 調査は昨年度までの7年間、稚アユの遡上状況を経年的に把握し、年変動にも着目しながら県内アユの資源管理の基礎資料として役立てようと県の「内水面漁業振興事業」の一環として実施されてきた。今年は気仙川漁協が単独で、試験・研究を目的とする場合に特別に県知事が許可する「特別採捕」として行っている。
 今年の調査は6月7日にスタートし、同20日に続いて3回目。調査地点は陸前高田市竹駒町と矢作町に架かる廻舘橋下流の気仙川で、組合員が投網を行ってアユを捕獲している。
 この日は小山組合長や役員、組合員ら5人が参加。調査地点で10回の投網を行った結果、計63匹のアユが捕獲され、サイズは10㌢前後が主体で、最大は17~18㌢となった。
 捕獲したアユは、県内水面水産技術センターへと送る。耳石から年齢が分かることから、いつごろふ化したのかや、ふ化日の違いを比べることで、天然か人工ふ化かも推測できるという。結果は11月~12月ごろに通知される見込み。
 今年のアユ釣りは1日に解禁となっており、初日は県内外から350人~360人ほどが訪れてにぎわいをみせた。その後も連日、多くの愛好者が流域各所に足を運んで釣りを楽しんでいる。
 調査では、昨年と比べてアユの捕獲数、サイズともに上回っており、小山組合長は「天候次第だが、釣果に期待できそうだ」と話していた。
 調査は今月22日(月)にも行う予定。