多様な意見聞かせて 市議会がWS形式の語る会 市民対象にきょうも開催 

▲ ワークショップ形式で行われた議員と語る会

 陸前高田市議会(及川修一議長、議員16人)は9日、高田町の市コミュニティホールで「テーマ別 議会と語る会」を開いた。従前の「語る会」とは趣向を変えてワークショップ(WS)形式で企画した新たな試み。同日を初回に計3回予定しており、2回目は10日午後6時から同じ会場で開く。市民の参加を呼びかけている。
 懇談のテーマは▽市財政▽子育て▽産業振興──の三つ。市民約10人が参加し、希望するテーマに分かれて意見交換した。議員は16人全員が臨み、各グループの進行役(ファシリテーター)などとして加わった。
 子育てグループでは「実家のサポートがないと子育てが大変」「病児の預け先がほしい」「部活動の地域移行をスムーズにするための対策は」などと議論。産業振興グループでは「1次産品のブランド化と逆行するような価格競争が起きている」「高齢化を背景に40代、50代であっても若手扱いされる。担い手育成が重要だ」といった声が聞かれた。
 小友町の40代男性は「議員と気軽に話せる良い機会だった。仕事などで感じる課題や普段思っていることを伝えられるので、また開いてほしい」、米崎町の60代男性は「1時間では足りないほど活発な議論ができたと思う。もう少しテーマを狭めれば、さらに議論を深めることができそうだ」と話した。
 市議会は議会基本条例に基づき、「議会と語る会(議会報告会)」を年1回以上開いている。主に議員が市内全11地区に出向く形式や、各種団体との語る会を手掛けてきた。
 こうした中、本年度は堅苦しくない懇談の場を創出することで、市民の多様な意見を吸い上げようと、WS形式の語る会も企画した。
 参加者を増やすため、1回目を平日の日中、2回目を平日の夜、3回目を休日に設定した。3回目は21日(日)午前10時から同ホールで開かれる。
 及川議長は「住民の声を聞き、そしゃくし、そして議論した結果を地域に返すのが議員の役割。今、議会では広聴、議員間討議、広報という三つのあり方を変えようとしており、今回の語る会は広聴の分野で始めた新たな挑戦だ。議会の長としても大変誇らしい取り組みが進んでいる」とうなずいた。
 語る会はいずれも託児付き。事前の参加申し込みは不要だが、可能な人に限り専用フォーム(別掲QRコード)での参加意向を受け付けている。
 詳細についての問い合わせは、議会事務局(℡54・2111内線612)まで。