師範が〝おもてなし〟直伝 さんま焼き師認定試験 市観光物産協会 県内外から70人参加(別写真あり)

▲ さんま焼き師師範のアドバイスを受けながら炭火焼きに挑戦

 大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)による「さんま焼き師認定試験」の講習は13日、大船渡町のおおふなぽーとで開かれた。熟練の技を持つ師範から、観光客らを喜ばせる焼き方のこつを教わるとともに、自らも炭火焼きに挑戦し、ふっくらとした味わいに仕上げた。14日は、同施設で講習・筆記試験を予定している。(佐藤 壮)

 

 試験は、全国に「水産のまち大船渡」「さんまのまち大船渡」を情報発信するとともに、大船渡市ファンの獲得や地域力の強化を図ろうと平成28年にスタート。累計認定者は500人に上る。
 本年度は、新規取得と認定更新合わせて70人が参加。全国的に知られる唯一無二の試験とあって、県外在住者が約半数を占めた。
 埼玉県日高市在住の佐藤拓さん(53)は3年前に認定を受け、更新のため参加。受け付けを終え「陸前高田の復興事業で赴任していた時に取得した。やはり、バーベキューなどをした際に話題になる。気仙の今の状況も目にしたいと思い参加した」と話した。
 一方、妻の晶子さん(51)は初めての挑戦。「夫を見て、面白いと思った。魚は焼き加減が難しいので、学ぶのが楽しみ」と笑顔を見せた。
 講師は、平成29年度に第1号のさんま焼き師師範となった田端隆志さん(64)=赤崎町=らが務めた。イベントなどへの運営参加を見据え、道具の確認や炭おこしに加え、サンマを焼く・返す際の見極め、配膳、後片付けと一連の流れをアドバイスした。
 参加者も実際に焼き加減を確認しながら奮闘。色鮮やかな焼き色に仕上げた後は、試食でふっくらとした身のおいしさを味わった。
 住田高校3年で赤崎町在住の志田陽飛さんは「学校の地域創造学で大船渡の魅力としてサンマについてまとめたいと思い、参加した。自分で焼いたサンマは、思っていた以上においしい。ひっくり返すタイミングなどが、とても勉強になった」と語り、瞳を輝かせた。
 14日は、おおふなぽーとで午前10時から講習と筆記試験が行われる。試験内容は▽大船渡市の概要▽市の水揚げ状況▽焼き方▽客への提供方法──などを予定している。
 合格者には認定証(3年間有効)と記念タオルを交付。今後、市や同協会が主催する「さんままつり」などでボランティア参加の依頼もあるという。市内外の各種イベントで腕をふるうことで、大船渡産サンマのPRや地域活性化への貢献が期待される。