復興への過程学ぶ 山火事で被災 マウイ島の高校生訪問

▲ 解説員のガイドで震災について学ぶ高校生ら

 昨年8月に米ハワイ州のマウイ島で発生した山火事で被害を受けた現地の高校生が24日、陸前高田市の東日本大震災津波伝承館を訪問した。公益財団法人米日カウンシル―ジャパンと在日米国大使館による官民パートナーシップ「TOMODACHIイニシアチブ」による人材育成プログラムの一環で、高校生たちが津波の脅威、被災から復興への過程などについて学んだ。
 「TOMODACHI kibou for Maui program」と銘打つこのプログラムは、山火事で被災した高校生を多角的に支援するもの。マウイ島内から多くの生徒が避難し、離島での避難生活を送っている家庭も多い中、同島の高校生に希望を与え、震災から復興に歩んできた東北で現地住民とのつながりを提供している。
 今年3月に同プログラムの「1期生」が宮城県の東松島市などを訪問しており、2期生となる今回はマウイ島ラハイナ地区にあるラハイナルナ高校の2、3年生10人が来日している。
 プログラムの訪問先は、令和4年、持続可能な観光の国際的認証団体であるグリーン・デスティネーションズから「世界の持続可能な観光地トップ100」に選ばれた東松島市を中心としており、本県訪問は今回が初となった。
 一行は22日に同市に入り、24日は陸前高田市の東日本大震災津波伝承館を訪問。同館解説員のガイドのもと、三陸沿岸を襲った津波の歴史や、発災から復興への歩みを学び、東日本大震災で被災した消防車両や津波の映像なども目に焼き付けた。その後は津波復興祈念公園内を歩き、奇跡の一本松も見学した。
 ノア・ゴードンさん(18)は「実際に震災当時の写真を見たことで、何が起きたのかをしっかり知ることができた」と振り返った。山火事の影響によって、自宅に戻ることができない日々が続いているといい、「故郷のラハイナが今、復興のどのステージにいるかということを学ぶ機会にもなった。いつ起きるか分からない災害についてどう備えるべきかを学んで帰りたい」と話していた。
 高校生たちは28日(日)まで東松島市に滞在し、ワークショップなどに臨む。