夏休み突入 集客に期待 高田松原海水浴場 書き入れ時の8月へ

▲ 夏休みシーズンに入り、今後の集客に期待が集まる高田松原海水浴場(13日)

 陸前高田市の高田松原海水浴場は27日、海開きから2週間が経過した。今年は県内初となる国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得し、関係機関はこれを誘客の好機と捉え、昨夏から充実させているマリンアクティビティーや海開き期間中のイベントをさらに強化。海水浴客数は開設1週目が前年の倍ほどに伸びたが、2週目はぐずついた天気の影響などで閑散とした。子どもの夏休みシーズンに突入しており、運営側は書き入れ時の8月に向けて、PRに当たっている。(高橋 信、7面に関連記事)

 

 同海水浴場を運営する市観光物産協会(熊谷正文会長)によると、26日時点における海水浴客数は約3500人で、前年同期とほぼ同水準となっている。
 13日からの開設1週目は比較的好調で、1週間で前年のおよそ2倍の約3200人を呼び込んだ。しかし2週目は一転して低調に。大半の小中学校などが夏休み前で、天候もいまひとつの日が多かったのが要因とみられ、1日20人ほどにとどまる日もあった。
 26日も人出はまばらで、この日同級生とビーチバレーを楽しんだ高田東中の後藤和さん(3年)は「地元に高田松原のような海があるのはうれしい。もっとたくさんの人でにぎわってほしいし、自分もまた遊びに来たい」と話した。
 海の家の従業員は「今年はまだお客さんが少なくて非常に困っている」と表情を曇らせる。
 同店は今年、店舗隣の飲食用テーブル席を覆うように、日よけ用のすだれを上方に設置。従業員は「日よけはより快適に食べたり飲んだりしてもらえるよう設置した。たくさんの人でにぎわう日を待つばかりだ」と、今後の入り込み増に期待を寄せる。
 同海水浴場で昨年に続き、海上アスレチックを運営する㈱NALU(奥州市)の千葉明宏代表取締役(28)は「人はまだ少ないが、県外からも遊びに来てもらっており、手応えはある。高田松原で楽しい夏の思い出をつくってもらえるようサービスを展開していく」と見据える。
 市観光物産協会は昨夏から、手ぶらで楽しめるバーベキューエリアや、ビーチパラソルの下やビーチベッドでくつろげる休憩エリアを設置。今夏は大型オブジェなどのフォトスポットを新設し、連動したフォトコンテストを実施している。海水浴客に中心市街地にも立ち寄ってもらおうと、市内飲食店などと連携したシールラリーも行っている。
 イベントは週末を中心に開催。28日は陸前高田ビーチバレーボール大会(同実行委主催)、8月4日(日)はライフセーバーを講師に迎えた親子向け海水浴体験、10日(土)は水陸両用車イスなどを体験する「陸前高田ユニバーサルビーチ」が予定されている。
 高田松原の砂浜は東日本大震災でほぼ消失。海水浴場は、県による砂浜の再生工事を経て、令和3年に11年ぶりに復活を果たした。今年5月には安全・安心できれいな海として認められてブルーフラッグを取得し、海開きに先立つ今月12日、現地で同フラッグのお披露目式が開かれた。
 同協会の桒久保博夫事務局長(46)は「ブルーフラッグを取得したことは、大きな強み。安全・安心で楽しい海を地元はもちろん、県内外の人に提供できるよう、チーム一丸となって運営に取り組む。海を楽しむさまざまなコンテンツも用意しているので、ぜひ一度足を運んでほしい」と力を込める。