チャオチャオ5年ぶり復活 世代超え楽しく輪踊り 一部参加自由の新形式に
令和6年7月30日付 7面

陸前高田市観光物産協会(熊谷正文会長)主催の「チャオチャオ2024~みんなで踊っちゃお!~」は28日、高田町の商業施設「アバッセたかた」駐車場で開かれた。新型コロナウイルス禍などの影響で昨年まで中止が続いた「チャオチャオ陸前高田道中おどり」が、一部参加自由の新たな形に生まれ変わって5年ぶりに復活。市民らがにぎやかに輪踊りを繰り広げ、楽しい夏の夜を過ごした。(高橋 信)
『いこまいたかた、あばっせなごや』の踊りも披露
雨天のため当初予定していた27日が中止となり、28日に順延となったチャオチャオ。会場の踊りエリア中央にやぐらが組まれ、そばには出店が並ぶなど、一帯は祭りの雰囲気に包まれた。
踊りは2部構成で、事前申込制の第1部は12団体約260人が参加。『チャオチャオ陸前高田』『陸前高田音頭』『寄さこい見さこい陸前高田』の3曲に合わせ、輪踊りを行った。
参加団体のうち、市国際交流協会はアメリカ、カンボジア、ベトナム、香港などさまざまな国出身の市在住者が浴衣や母国の衣装を着て踊った。「チーム下矢作」の約30人は8月11日(日)に矢作町下矢作地区で開催される下矢作灯篭七夕に向けて作ったそろいのTシャツ姿で臨み、七夕をアピールしつつ結束力を高めた。
第2部は誰でも参加可能で、さまざまな人が飛び込みで踊りの輪に加わった。
1部と2部の合間には、キッズダンスチームによるパフォーマンスのほか、友好都市協定を結ぶ陸前高田、名古屋両市の友情の踊り曲『いこまいたかた、あばっせなごや』の踊りが披露された。
『いこまい…』は両市の交流10年を記念し、互いの日本舞踊関係者らが共同制作した曲。令和3年の完成後チャオチャオでの披露を想定していたが、イベントの中止が続いたためかなわず、今回ようやくデビューにこぎ着けた。
道中おどりは市制施行40周年記念の音頭『チャオチャオ陸前高田』を地域に広めようと、平成8年から毎年開催。2000人以上の市民が参加し、市の夏行事の一つとして親しまれた。
東日本大震災で中断し、29年に復活。令和元年の前回は震災後初めて、まちなかの目抜き通りを会場とする本来の形で開催され、活気を呼び込んだ。
しかし、2年以降コロナ禍で再び中止。高田松原海水浴場運営など夏季業務が集中する市観光物産協会の人手不足もあり、開催が見送られてきた。
今年は踊り関係者からの復活を望む声などを踏まえ、5年ぶりに開催することを決定。これまで協会単独だったが、陸前高田ほんまる㈱、陸前高田まちづくり協働センター、陸前高田しみんエネルギー㈱が運営陣に新たに加わり、市民により気軽に参加してもらえるようプログラムを練り直した。
熊谷会長は「陸前高田の夏と言えば、七夕とチャオチャオ。5年ぶりとなったイベントを通じて地域が盛り上がればいい」と話した。