CF型ふるさと納税運用開始 市が給付型奨学金の資金調達へ

▲ ガバメントクラウドファンディングのサイトで給付型奨学金制度に関する概要などを確認できる

 陸前高田市は2日、返済不要の給付型奨学金事業費に充てるため、クラウドファンディング(CF)型のふるさと納税の運用を開始した。目標金額は1600万円で、来年1月末まで寄付を募る。市出身学生の将来の選択肢を広げる取り組みとして、専用サイト上で全国に支援を呼びかけていく。
 寄付は、国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する㈱トラストバンク(本社・東京都、川村憲一代表取締役)が展開する仕組み「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を活用して募集を開始。GCFのサイトで詳細を閲覧できる。
 GCFは、自治体が地域課題解決のためのプロジェクトを具体的に明示し、共感した人から資金を調達する仕組み。通常のふるさと納税と同様、寄付額に応じて返礼品を受け取ることができる。返礼品不要で、寄付した全額をプロジェクト運営費に役立てることも可能となっている。
 給付型奨学金制度は、若い世代が将来に夢を持てるような取り組みの一環として、市が令和5年度に創設。本年度から本格運用している。
 対象は、経済的な理由で修学が困難な市出身の大学生や専門学校生ら。20万円の入学一時金と、月額3万円の奨学金を年3回に分けて12万円ずつ(4カ月分)給付する。
 給付期間は、正規の就学期間(短大は2年、大学は4年、または6年など)とする。4年制大学の学生であれば、4年間の受給額は計164万円となる。
 給付初年度の6年度分は20人に支給しており、費用はすべて一般財源を充当。7年度以降は一般財源と通常のふるさと納税寄付金を財源に、年間10人以上を支援する。
 市によると、7年度の新規支給枠は現在17人分を確保。市は同年度の給付人数を最大30人に増やそうと、奨学金制度を前面に押し出せるふるさと納税の「CF型」も取り入れることとした。
 GCFのサイトには、佐々木拓市長のコメントとして「給付型奨学金は金銭面の不安で自身の夢を諦めることのないよう、支援する制度。GCFプロジェクトを通じ、地域の課題として認識してもらうことで市の活性化を促していきたい」と掲載している。