地域に溶け込み愛着体感 6、7日の盛町灯ろう七夕まつりに向け 立命館大生が準備から積極参加(別写真あり)
令和6年8月4日付 7面
大船渡市盛町のさかり中央通り商店街沿いで3日、盛町灯ろう七夕まつり(同町夏まつり実行委員会主催)に向け、恒例の竹立て作業や飾り付けが行われた。今年も立命館大学(本部・京都府)の学生が参加し、住民とともに汗を流しながら、伝統をつなぐ地域の絆やまちの誇りを感じ取った。まつりは6日(火)と7日(水)に行われ、引き続き立命館大生は市内に滞在し、伝統行事を盛り上げる。(佐藤 壮)
3日午前から作業に参加したのは、前日に大船渡入りした学生13人。短冊などを飾りつけた高さ13㍍の竹を、商店街沿いに1本ずつ立てたほか、吹き流しの設置でも汗を流した。
3年連続の参加となる総合心理学部3年の大坪優衣さん(20)=佐賀県佐賀市出身=は「まちの人と深くかかわることができ、いい出会いを継続したいと思っていた。飾り方を教わりながら伝統の良さを学ぶことができる。初めて参加する学生も多い。まちの人だけでなく、違うキャンパスに通う学生との親睦も深めたい」と話す。
引率する同大学共通教育推進機構の山口洋典教授(49)は「まつりは非日常であるが、住民の信頼関係や地域の伝統といった日常の関係性が色濃く反映される。『楽しかった。また来たい』だけで終わるのではなく、暮らすまちとの結びつきや愛着、人とのかかわりを考える機会にもなれば」と語り、期待を込める。
同日はさらに学生10人が合流。9日(金)まで滞在し、各地域の山車準備や本番の練り歩き、撤収作業にも関わる。
立命館大生や教職員らは震災以降、市内で仮設住宅の傾聴活動、児童・生徒の運動支援、まつり開催への協力などを続け、平成24年4月には市と連携協力協定を締結。28年には、さらなる連携を見据え、包括連携協定を結んだ。盛町住民とのまつりを通じた交流は10年以上に及ぶ。
灯ろう七夕まつりは、盆前に先祖の霊を迎える星祭りとして開催。明治末期には、七夕山車が練り歩くようになったと伝わる。
東日本大震災に襲われた平成23年も開催。以降、復興支援で訪れた人々と地域住民が交流を深める行事としても定着した。
3日も、震災直後に米国のオールハンズ・ボランティアズの一員として大船渡を訪れた人々が盛町内に入り、顔なじみの住民らと談笑する光景が見られた。まつり当日には、気仙などで被災地支援活動を展開してきた愛知県の安城学園高校の生徒らも訪れるという。
6日の午後1時~10時、7日の午前10時~午後10時に商店街通りは車両通行止めとなり、竹七夕飾りに包まれる。今年も、各地域の祭組が制作した七夕山車9台が彩り、6日は午後3時~9時に運行される。
まつり本部前では、午後2時30分から中高生の演奏などが続き、盛駅前通りでは午後6時からオープニングセレモニーや「大餅まき大会」を開催。その後は七夕山車の競演や道中踊りなどが繰り広げられる。
7日は午前10時から、盛こども園児による引き七夕があり、午後3時~同9時に七夕山車を運行。両日午後4時~9時には、本部前で盛青年商工会による「屋台&ミニ縁日」も予定している。