盛夏に活気 群舞鮮やかに 三陸・大船渡夏まつり道中踊り(別写真あり)
令和6年8月4日付 1面
大船渡市の「三陸・大船渡夏まつり」は2日目の3日、大船渡町の茶屋前岸壁付近でメイン行事が繰り広げられた。市民道中踊りは昨年に続き、県道丸森権現堂線が舞台となり、事業所やグループなどの25団体、約900人が舞を披露。好天に恵まれた中、踊り手や沿道に詰めかけた市民らは、多彩なまつりイベントを楽しみながら、笑顔を交わした。(佐藤 壮)
「海の祭典」に花添える
「海の祭典」とも呼ばれ、大船渡の夏を代表する一大イベントとして親しまれている同まつりは、市内の行政や事業所、各種団体の関係者らで構成する実行委員会(米谷春夫委員長)が主催。東日本大震災が発生した平成23年は中止したが、24年には再開し、国内外からの支援に対する感謝と、復旧・復興の歩みを発信してきた。
今年は、まつりに合わせるかのように、気仙地方を含む東北北部が2日に梅雨明けとなり、3日も青空が広がった。大船渡の最高気温は29・9度(平年比2・3度高め)で、ほぼ真夏日の暑さとなり、まつりムードを引き立てた。
キャッセンエリアでは日中から、多彩な出店の中で家族連れらが来場し、にぎわいが生まれた。
みなと公園など海沿いをゆっくりと巡り、潮風を浴びながらのんびりと過ごす姿も目立った。茶屋前岸壁北側には、県大船渡土木センターと連携した公共空間利活用事業の一環で、テーブルやいすを置いたほか、座って観賞できるよう敷物も用意し、無料で開放した。
同岸壁に係留された大船渡丸の特設ステージでは午後3時から、大船渡東高校太鼓部が「オープニング太鼓」を披露。実行委役員や来賓によるテープカットも行われた。
チンドン寺町一座や明和保育園児、地元出身歌手らも出演し、かわいらしい姿や伸びやかな歌声で岸壁に訪れた人々を魅了した。
市民道中踊りは今年も、キャッセン大船渡沿いの約300㍍が舞台となった。保育園や事業所、市民有志のグループなど、幅広い世代が集結。参加者数はコロナ禍前の規模には届かなかったが、団体数、人数とも昨年よりも増え、湾岸の中心市街地は色鮮やかな衣装にあふれた。
夕闇が迫る午後6時30分から、『気仙甚句囃子』『おおふなと椿音頭』の2曲に合わせ、笑顔にあふれる群舞と、生演奏が繰り広げられた。参加者は汗を浮かべながら踊り歩き、活気を広げた。
茶屋前岸壁では、夜の訪れとともに、竹明かりやかがり火の点灯が行われ、幻想的な雰囲気に。海上七夕船の湾内巡航との競演で魅せる花火大会と続いた。