「寄り添う催し」目指して 大学生が街頭で3・11意識調査 復興祈念公園事務所に協力 ウェブは31日まで実施(別写真あり)

▲ 来年予定するイベントの開催に向け、学生たちが街頭調査を展開

 陸前高田市の県立高田松原津波復興祈念公園管理事務所(尾澤彰所長)と早稲田、岩手両大学の学生らは4日、同市高田町のアバッセたかたなどで「『光ノ碑』実施に向けた意識調査」を行った。東日本大震災の発生から14年を迎える来年3月11日に合わせ、同公園で予定するイベントを「地域に寄り添う形にしたい」と企画したもので、学生たちは市民らから3・11当時や光ノ碑に関する声を聞いた。調査は31日(土)までウェブで実施中で、多くの協力を呼びかけている。

 同事務所は今年3月1日~11日、震災犠牲者への追悼や風化防止を目的に、高田松原の防潮堤を活用したライトアップイベントを開催。約4500球のLEDライトで縦19㍍、横52㍍のスイセンの花を描き、その光に鎮魂と復興への願い、伝承の決意などを込めた。
 イベントは来年3月にも予定しており、同事務所ではさらなる展開を目指し、陸前高田グローバルキャンパスが全国の大学と地域を結びつける事業「陸前高田イタルトコロ大学」に協力を依頼。早稲田大の学生団体「陸前高田プロジェクト」と岩手大学の同「三陸委員会ここより」が企画・運営に加わることとなった。
 同事務所や学生たちは「押しつけや自己満足にならないよう、地域住民の震災に対する思いを知ったうえでイベントに取り組みたい」と、今回の意識調査を企画。学生たちが準備を重ね、街頭とウェブの2種類によるアンケートを行うこととした。
 高田町内での街頭調査には、早稲田大6人、岩手大2人の学生が参加。アバッセとマイヤ高田店前に分かれ、道行く市民らに調査への協力を求めた。
 調査は全13問で、震災当時に住んでいた地域、今年の光ノ碑について、来年のイベントに期待することなどを尋ねた。学生たちの呼びかけに快く協力する市民も多く、回答者には花の種をプレゼントした。
 学生たちのリーダーを務める早稲田大法学部3年の村上彩さん(21)は「復興祈念公園でのイベントに関われることは、非常に光栄。市民の皆さんは優しい方々が多く、予想を上回る回答数をいただいている」と話し、協力に感謝する。「調査で、住民の方々がライトアップに関してどう思うかが明確になる。結果を基に、より忠実に、住民に寄り添う形で進められたらと思う。多くの住民の方々に声を聞きたいので、ウェブ調査へのご協力をお願いしたい」と呼びかける。
 尾澤所長は「地域に寄り添ったイベントでなければ続かないし、押しつけにはしたくない。岩手の復興祈念公園と市民との距離を縮め、利用してもらえるきっかけになれば」と話していた。 

 ウェブ調査は、専用フォーム(別掲QRコード)から受け付けている。設問は街頭調査と同じ。
 調査に関する問い合わせは、同事務所(℡22・8560)へ。