モビタで楽しく買い物を 市営住宅4団地とアバッセ間 週替わり運行 毎週木曜日に特別便(動画、別写真あり)

▲ 栃ヶ沢アパートを出発する特別便

 陸前高田市内を走る環境に優しい小型電気バス(グリーンスローモビリティ)「モビタ」の特別便の運行が、8日に始まった。毎週木曜日に、市営住宅と高田町の商業施設「アバッセたかた」を結ぶバスを週替わりのルートで運行し、高齢者らに移動から買い物まで楽しめる機会を創出する。運行は12月まで。
 特別便の運行は、同市の地域電力会社・陸前高田しみんエネルギー㈱や市地域包括支援センター、市営住宅自治会、高田まちなか会などでつくる陸前高田市グリスロ利活用推進協議会が実施するもの。国交省の「共創・MaaS実証プロジェクト」の採択を受け、モビタを生かした福祉や観光・まちづくり分野の実証実験に位置づけて展開する。
 ルートは毎週異なり、アバッセたかたと市営住宅の▽県営栃ヶ沢アパート▽下和野団地▽中田団地▽今泉団地──の4カ所のうち、いずれか1カ所を1日2往復する。
 初日の8日は、高田町の栃ヶ沢アパートとアバッセたかたを2往復した。同アパート発の第1便には住民4人が乗車し、アバッセたかたで買い物を楽しんだ。
 この日乗車した同アパートの菅野英子さん(87)は「車を持たず、いつもは移動販売を利用している。気軽に乗れる移動手段があるのはいいことだ」と話した。
 今月は15日に下和野団地(高田町)、22日に今泉団地(気仙町)、29日に中田団地(高田町)とアバッセたかた間のバスを運行する。
 運賃は1乗車につき100円。アバッセたかたでは毎週木曜日午後1時~3時にボランティアに見守られながらゆっくりと買い物できる「スローショッピング」が行われており、希望する乗客は参加できる。
 また、9~12月は毎週木曜日の特別便に加え、商業者などと連携した週末限定便も月1回運行する。市内飲食店などでその日限り有効の特典を受けられる乗車パスを乗客に配り、観光回遊の促進や経済活性化を図る。
 グリーンスローモビリティは、時速20㌔未満で公道を走行可能な電動車を活用した小さな移動サービスを指す。同市では一般社団法人陸前高田グリーンスローモビリティが令和4年度から、「モビタ」を愛称とするグリスロを運行し、乗客数は4、5年度ともに年間4000人を超えた。
 特別便の運行に関する問い合わせは、市グリスロ利活用推進協議会事務局(℡47・4102)へ。