鎮魂の炎 空高く 下矢作で迎え火行事(別写真あり)

▲ 勢いよく炎が燃え上がり、住民が祈りをささげた迎え火行事

 陸前高田市矢作町の下矢作地区コミュニティ推進協議会(佐藤信一会長)は8日夕、同地区コミュニティセンターで、東日本大震災の犠牲者や先祖の霊を導く「迎え火」行事を開いた。任意で集めていた護摩木を、今年から地区全戸に配り、願い事などを書いてもらって回収。住民は空高く燃え上がる鎮魂の炎を見つめ、祈りをささげた。
 住民ら約40人が参加。下矢作の重要な行事としようと、今年からアカマツで作った護摩木を地区内全約270戸に配り、「世界平和」「家族みんなが健康でいられるように」「友よ安らかに」などと思い思いに記してもらったうえ集めた。
 積み上げられた護摩木に点火され、勢いよく炎が立ち上ると、住民は静かに無病息災などを願った。毎年行事に駆けつける二胡奏者・真真さん=千葉県流山市=が演奏し、きれいな二胡の音色が響き渡った。
 その後、下矢作灯篭七夕伝承会(藤倉泰治会長)が太鼓と笛の演奏を披露。同地区では11日(日)に伝統の下矢作灯篭七夕が開かれる予定で、本番に向けて機運を高めた。
 行事は、震災が発生した平成23年の夏に始まった。令和2、3年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止し、4年に再開した。
 佐藤会長は「今年はコミセン事務局長として長年地域に貢献していただいた佐々木倉雄さんが亡くなり、みんなで悼みたい。迎え火を下矢作の大切な行事としていきたい」と話した。