プロバスケ・千葉ジェッツと契約合意 菅野ブルースさん 陸前高田で少年期過ごした経験糧に

▲ 千葉ジェッツへの加入を決めた菅野さん

 プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の千葉ジェッツはこのほど、陸前高田市で小中学校時代を過ごし、米フロリダ州の私立ステットソン大学などでプレーした菅野ブルースさん(21)が、特別指定選手としてプロ契約に合意したと発表した。少年期の経験を糧に成長を遂げ、プロとしてチームへの貢献を誓う菅野さん。今後の活躍に期待がかかる。(阿部仁志)


 特別指定選手は、満22歳以下のバスケットボール選手がBリーグの試合に出場できるようになる制度。現役の高校生や大学生の有望選手に、個人の能力に応じた環境を提供することが狙い。
 日本人の母と米国人の父を持つ菅野さんは、アメリカで生まれ、米プロバスケ(NBA)の試合を見て育った。平成23年の東日本大震災後は、母の実家がある陸前高田市に移住。横田小2年生だった当時、地元の旧高田ミニバスケットボールスポ少に入団して競技にのめり込んだ。
 旧高田一中時代には、切れのあるドリブルなどが評価され、日本バスケットボール協会(JBA)のジュニアユースアカデミーキャンプに招集されるなど、頭角を現した。
 中学3年生で花巻市に引っ越し、花巻中から強豪の仙台大学附属明成高(宮城県)に進学。3年時には男子U19日本代表として「FIBA U19ワールドカップ2021」に出場するなど注目を集めた。
 高校卒業後はアメリカに渡り、アイオワ州の短大「エルスワース・コミュニティ・カレッジ」と、全米大学体育協会1部(NCAAディビジョン1)のステットソン大学でプレー。このほど千葉ジェッツからオファーがあり、特別指定選手として、Bリーグ2024─2 5シーズンでのプロ契約に合意することを決めた。
 新天地での背番号は「6」で、ポジションはシューティングガード。身長200㌢、体重93㌔のビッグガードが、日本でプロバスケ選手としてのキャリアをスタートさせる。
 菅野さんは「勝利を大切にするチームに加わりたく、毎日お互いを高めあうことができるチームメートに囲まれたいと思っていました。優勝に貢献できるよう、私ができる最大限を尽くしたい」とコメントしている。
 会社員の母・陽子さん(51)=花巻市=は「日本に帰ってきた姿を見て安心し、心身ともに成長したと感じた。試合があれば、休みをとって見に行きたい。思いっきりプレーしてほしい」と活躍を願っている。