青空の下 笑顔集まる 郷土芸能の体験や飲食販売など多彩に 陸前高田JC ドリームフェスタを初開催(別写真あり)
令和6年8月18日付 1面


チェーンソーで丸太を切る作業に挑戦
陸前高田市の陸前高田青年会議所(JC、菅野龍介理事長)は17日、気仙町のワタミオーガニックランド野外音楽堂で「TAKATA DREAM FESTIVAL(タカタ・ドリーム・フェスティバル)」を初開催した。市民らに陸前高田の魅力を再発見してもらい、まちへの愛着を持ってもらおうと企画。郷土芸能や1次産業関連の体験、飲食販売などが行われ、市内外の親子連れなどが青空の下で楽しんだ。
17日は台風7号接近に伴う悪天候が心配されたが、大きな影響を受けず、正午の開会時には青空が広がった。強い日差しが照りつける中、芝生が広がる野外音楽堂にはさまざまなブースが設けられ、市民らが来場した。
音楽堂ステージでは、太鼓団体や郷土芸能団体がパフォーマンスを披露した。
大船渡、陸前高田両市民らでつくる太鼓団体「三扇会」(村上武志会長)は、演奏体験も実施。参加した釜石市の谷口彩乃さん(双葉小2年)は「太鼓をたたくのが難しかったけど上手にできたと思う。楽しかった」と笑顔だった。
イベントは、日本青年会議所東北地区岩手ブロック協議会の若手会員らが所属する「いわてJAYCEEアカデミー委員会」が共催。同委員会は郷土芸能の紹介・体験、地元の1次産業をPRするマルシェなどのコーナーを開設した。
このうち、チェーンソーでスギの丸太を切断する体験は、子どもから大人まで幅広い世代が参加した。
チェーンソーの操作を楽しんだ竹駒小2年の萱野蒼唯さんは「初めてだったけど上手に切ることができた。楽しかったし、木を切る仕事が大変なことも分かった」と目を輝かせた。
一方、市指定無形民俗文化財「広田御祝い」の紹介コーナーでは、保存会(齊藤祥子会長)協力のもと、うたうときに使う物品が展示され、多くの人が見学。体験会も行われた。
齊藤会長(81)は「不漁や人口減を背景に、御祝いを披露する場が少なくなっている。こうしてさまざまな人に知ってもらうのは意義がある」と語った。
このほか会場では、電動立ち乗り式二輪車の試乗や水中ドローンの操作体験なども行われた。
同イベントは陸前高田の魅力を発信し、シビックプライド(地域への誇りと愛着)醸成を図ろうと企画した。
菅野理事長(39)は「何カ月も前から準備してきたので、台風の影響でどうなるか不安だったが、無事開催できて本当に良かった。将来を担う子どもたちに地元の魅力を知ってもらうのが一番の目的。『面白かったな』と夏の思い出として記憶に残ればうれしい」と期待を込めた。(高橋 信)