全国の「道の駅」を制覇 1191カ所でスタンプ集める 立根町の平山さん 愛車とともにこつこつと
令和6年8月21日付 6面

大船渡市立根町の平山清人さん(65)はこのほど、全国9ブロックの「道の駅」連絡会が開催するスタンプラリーを制覇した。令和3年10月から今年7月まで、北は北海道から南は沖縄県に至る道の駅1191カ所を愛車とともに巡り、こつこつとスタンプを集めてきた。「道の駅巡りを通じ、夢だった日本一周も果たせた」と喜んでいる。(三浦佳恵)
平山さんは、3年9月に仕事を定年退職。セカンドライフを迎え、新たな趣味を持とうと県内の道の駅スタンプラリーに挑戦した。
スタンプラリーは、指定された地域内の道の駅でスタンプを集めるもの。全国に九つあるブロック単位でも実施しており、全てのスタンプを集めて申請をすると、完走証明書(認定証)が発行される。さらに、全ブロックの認定証などを一般社団法人全国「道の駅」連絡会に届け出ると、全国制覇の表彰が受けられる。
同連絡会によると、5年度の全国制覇者は62人。元年度からの累計人数は328人となっている。
平山さんは、県内の道の駅を巡る際に東北ブロックのスタンプラリー帳を入手。県内の道の駅を回り終えると、半月ほどをかけて台帳にあった東北の168カ所を制覇した。
その勢いで、4年春には関東ブロック(180カ所)を完走。続く北陸(82カ所)を巡る中で「全国制覇」を目標に掲げ、北海道125カ所でスタンプを集めた。
5年には、中部(135カ所)、近畿(153カ所)、四国(90カ所)、中国(108カ所)の4ブロックを制覇。残る九州・沖縄(150カ所)は今年6月から7月にかけ、大船渡と2往復をして回り切った。
スタンプ集めを目的に、足かけ3年の日本一周に臨んだ平山さん。ブロックごとに決められたスタンプラリーの実施期間や施設の営業時間、最短ルートなどを考慮し、1ブロック当たりを2~3週間で巡った。多い日には、1日で10カ所を回ることもあったという。
相棒のワゴン車には、最低限の生活用品や寝具を載せ、車中泊をしながら移動。「乗り慣れた車で走った方がいい」と、長崎県の五島列島や鹿児島県の奄美大島といった離島には、愛車とフェリーで渡った。
道中では、目的地までの道が通行止めで遠回りを強いられたり、施設の改装工事や臨時休業でスタンプが押せないという事態も。平山さんは、「いろんなトラブルがあったが、それが面白かった。旅の楽しみでもあった」と笑って振り返る。
全国制覇の認定証と記念ステッカーは、来年4月末に届く予定。平山さんは、「次はどうしようかと考えているが、とりあえずは東北の道の駅を、近くの観光施設などにも足を延ばしながら楽しみたい」と話している。