晩夏照らす 鎮魂の光 伝統の「盛川灯ろう流し」 夜空を彩る花火打ち上げも(別写真あり)
令和6年8月22日付 1面
大船渡市盛町の伝統行事「盛川灯ろう流し」は20日夜、同町の権現堂橋たもとで行われた。約500個のともしびが川岸を照らし、おたき上げの炎が立つ中、幅広い世代の住民らが足を運び、さまざまな思いを寄せた。フィナーレを飾る形で今年も花火が打ち上がり、過ぎゆく夏の夜空を彩った。(佐藤 壮、3面に関連記事)

盛川から打ち上げられた花火でも魅了
灯ろう流しは吉野町公民館(鈴木仙三館長)が中心となって実施。旧暦で送り盆にあたる日に合わせて100年以上続くとされ、気仙の夏を締めくくる風物詩となっている。
一昨年、昨年に続き増水状態となったため、今年も川に流すのは見送り、川岸に1個ずつ並べた。読経が響く中、段差を生かして並べられた灯ろうが面となって照らし、おたき上げの炎は故人への思いをくみ取るように揺れ、幻想的な光景が広がった。
灯ろうを見つめながら静かに手を合わせた同町の千葉若子さん(82)は「夫もきょうだいも亡くなってさみしいけども、何とか皆さんのおかげで生かされている。きょうは『健康でありますように』と願った」と話していた。
会場には、震災物故者の冥福を祈る木製の仏塔「三重の塔」を設置。静かに手を合わせ、鎮魂の祈りをささげる人々の姿が見られた。
また、露店を楽しみに訪れる子どもたちの姿も多く、にぎわいが広がった。灯ろう流し行事のフィナーレを飾る形で、盛町夏まつり実行委員会が午後8時前から花火を打ち上げ、30分超にわたり夜空に大輪を描いた。
吉野町地域は約120世帯で構成。今年も地域住民が中心となり、今月6、7の両日行われた灯ろう七夕まつりへの参加と並行する形で準備や運営にあたってきた。
鈴木館長(71)は「今年こそは灯ろうを流したかったが、仕方ない。伝統の風物詩として、地域外からも来ていただけるのはありがたい。眺めるだけで心休まるものがあると思う。継承していきたい」と話していた。






