熱いラリーで心つなぐ 高田松原できょうまで フレスコボールの公式戦 (動画、別写真あり)

▲ 高田松原の砂浜で熱いラリーを展開するペア

 ブラジル発祥のビーチスポーツ、フレスコボールの公式戦「リクゼンタカタカップ」は24日、陸前高田市の高田松原で始まった。3年目の開催となり、気仙地域をはじめ県内外からプレーヤーが集まって熱いラリーを展開。防災・減災を学ぶ機会も設けられ、同市ならではの体験や交流が参加者らの心をつないでいる。25日まで。(阿部仁志)

 

 フレスコボールは、2人一組でゴム製のボールを打ち合ってラリーをつなぐラケット競技。ラリーを続けた回数やテクニックなどで採点し、ランキングを競う。
 本年度の公式戦は、一般社団法人日本フレスコボール協会(窪島剣璽会長、東京都、以下JFBA)が全国8会場で開催。東北唯一のリクゼンタカタカップは7会場目にあたり、同市の三陸フレスコボールクラブと宮城県気仙沼市の気仙沼フレスコボールクラブが協力、市や東海新報社などが後援している。
 今回は、プレーヤーが同一カテゴリーに複数参加できるマルチエントリー制度を初めて導入。2日間の男子、女子、ミックス(男女混合)の総参加数は80ペアを見込み、3年間で最多となる。
 初日は40ペアが参加。開会式では、窪島会長が「年々大きくなっていく高田松原のマツと一緒にフレスコボールの歴史を刻めることがうれしい。みんなで良い大会にしたい」と成功を誓った。
 競技に挑んだ各ペアは、制限時間の5分間になるべく多くラリーを行えるよう、日々の練習の成果を発揮。ラリー中は所属チームや地域に関係なくエールが飛び交い、来場者みんなで終始笑顔を広げた。
 公式戦初参加の溝口雅柊さん(25)=宮城県仙台市=は「緊張したけど、ラリーに集中して練習してきたことを出し切れたので楽しかった」と満足の表情。
 三陸フレスコボールクラブの西條正夫さん(77)=広田町=は、同クラブの高橋庸充さん(83)=大船渡市猪川町=と今大会の〝最高齢ペア〟を組んで出場。「緊張したが、孫にも応援してもらって楽しかった。年をとっても関わることができ、仲間も増える良い大会。来年も参加したい」と話していた。
 今回は、初めて海水浴場開設期間外に開催日を設定。東日本大震災被災地域の水辺における活動を支援する国交省東北地方整備局の事業「水辺・絆プロジェクト」を活用し、大会コンセプトを「つなげ、ラリー。つなげ、防災・減災」として、ビーチスポーツプレーヤーの防災意識醸成、向上を図ることも趣旨に加えた。
 大会途中には、同クラブの代表で、陸前高田防災を考える会の代表も務める菅原ひとみさん(47)がミニ防災講座を開く場面も。有事の際はラケットなどを掲げて高台へ走って避難の目印になることや、日ごろからの避難訓練の大切さなどを伝えた。
 2日目の25日は、午前8時40分に開会、同9時競技開始。昼ごろには、市のPRキャラクター「たかたのゆめちゃん」が応援に訪れるほか、地元小学生や県内チアダンスクラブのパフォーマンスも予定している。