町の情報を多言語で 広報誌を10言語に翻訳 在住外国人のニーズに対応

▲ 「広報すみた」の多言語閲覧が可能に

 住田町は本年度から、毎月発行の町広報誌「広報すみた」を多言語で閲覧できるサービスを展開している。多言語ユニバーサル情報配信ツール「カタログポケット」を活用し、日本語を含む10言語に翻訳した広報をスマートフォンアプリなどで読むことができる。町内在住外国人の割合が増加傾向にある中、「誰もが暮らしやすいまちとなる一助に」と取り組みを開始。今後は町防災マップなども多言語に対応させていきたい考え。(清水辰彦)

 

 「広報すみた」は、毎月最終金曜日に町内全戸に配布し、同時にホームページにもアップされている。町の取り組みに関する特集ページに加え、地域の話題、行政や関係機関、団体からのお知らせなどを掲載している。
 7月末現在の住田町の人口は4698人。このうち外国人は123人で、総人口に対する割合は2・6%と、県内でも高い水準にある。国籍は中国、インドネシア、ラオス、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ネパール、アメリカと幅広く、多くが町内企業に勤める外国人技能実習生となっている。
 町内在住の外国人は令和4年7月末は86人、5年同期は120人と、その割合は年々上昇しており、広報誌などの多言語対応へのニーズが高まっていた。
 こうした背景から、町では外国人の利便性も高めようと、広報誌の多言語化を開始。
 町のホームページ運営委託会社を通じて、カタログポケットを運営する㈱モリサワに広報の誌面データを送り、多言語に翻訳されてアップロードされていく仕組み。
 対応しているのは日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、タイ語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語。最新の広報だけでなく、現在は5年4月分までを多言語で閲覧することができる。
 スマートフォンやタブレットでの閲覧は、「カタログポケット」のアプリをダウンロードし、アプリ内で広報すみたを「マイコンテンツ」に追加することで、希望する言語に自動翻訳されたものを読むことができる。
 パソコンからは、直接カタログポケットのサイト(https://www.catapoke.com/popular/)で閲覧可能。
 今後は、洪水・浸水害、地震への対策、土砂災害警戒区域、1次避難先となる緊急避難場所、中長期的な2次避難先である避難所などを掲載している町防災マップや、町内の年間主要行事を紹介している「健康とくらしの予定表」も多言語に対応させていきたい考え。
 特に、近年は自然災害が頻発しており、災害時には「言葉の壁」が初動の遅れにつながる恐れもあることから、防災マップの多言語化は早急な対応が求められる。
 広報を担当している町企画財政課の遠山恵太主事は「このサービスにより、広報を通して町の取り組みなどを外国人の方々にも知っていただき、多文化共生にもつなげたい。少しでも住みよいまちになっていけば。防災マップも多言語化となれば、迅速な初動体制にもつながる」と話している。