今年も生出の森に学ぶ 立教大生の林業体験研修(別写真あり)

▲ 間伐作業に汗を流す学生

 陸前高田市矢作町生出地区で26日から30日(金)まで、立教大学(本部・東京都、西原廉太総長)の学生による林業体験プログラムが行われている。森林資源に恵まれた生出を舞台に平成15年度に始まった短期滞在型フィールドワークで、学生たちが現場での作業を通じ、林業に理解を深めている。
 全学部生を対象に参加を募り、本年度は学生9人が臨んだ。宿泊可能な生出地区の多目的施設「ホロタイの郷・炭の家」を拠点とし、同地区コミュニティ推進協議会(菅野賀一会長)役員や、県から「いわて森の達人」に認定されている地元の佐藤隆雄さん(66)、県、市の担当者が指導、サポートに当たっている。
 学生たちは「立教の森」と命名された杉林(市有林)で、密集化する立木を一部切り取る「間伐」に挑戦。安全に倒すために木に切り込みを入れる「受け口」の作業をノコギリやナタで行うなど、林業の大変さを学んだ。
 立教の森に植え付けたスギの木はプログラム開始から約20年が経過し、立派に成長。残存木の成長促進を目的とする「保育間伐」期から、利用間伐(収穫間伐)期に入っている木もあることから、地区内の別の場所に「第2の立教の森」を新設。昨年からフィールドワークの場所として第2の森も活用しており、今年も作業を繰り広げた。
 学生は期間中、佐々木拓市長を表敬訪問したほか、市民の講話を聞いた。初日は地元住民とのバーべーキュー交流会も行われた。
 同大法学部の池田力輝さん(3年)は「普段やらないことを体験でき、楽しい。陸前高田に林業の印象はなかったが、森林資源にも恵まれていることを知った」と関心を寄せた。