旬のサンマ 一気に115㌧ 三笠丸5隻が水揚げ 大船渡市魚市場 サイズは100〜120㌘が主体(別写真あり)
令和6年8月30日付 1面

大船渡市魚市場で29日、100㌧を超えるサンマの水揚げがあった。大船渡では23日に続いて今季2回目の水揚げとなり、8月中の〝大台〟は珍しい。同市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)が所有する三笠丸5隻が帰港し、港は旬の魚を水揚げする関係者らの熱気で大いに活気づいた。
同日午前6時15分すぎ、初水揚げを行った第十一、第二十一の三笠丸が先に接岸。それから約1時間後、第三、第十五、第十八の3隻が帰港し、5隻で計115㌧を水揚げした。船から網でサンマをすくい上げる漁船関係者の威勢のいい声が響き渡る中、岸壁では多くのフォークリフトやトラックが絶え間なく行き交い、魚市場関係者や水産加工業者らは水揚げされたサンマの鮮度や型をじっくりと品定めした。水揚げを見守った鎌田社長は「昨年よりはいい状況だと思う。この調子が続いてくれれば」と期待を込めた。
サイズは船によってばらつきがあったが、1匹100〜120㌘が主体に。入札では、1㌔当たり1100~800円、冷凍は1箱(7・5㌔)4000円で取引された。
約1300㌔の距離を約50時間かけて航行し、大船渡に戻ってきた第三三笠丸の熊谷陽介漁労長(40)=三陸町綾里=は「いつもよりも魚は見えていて、ここ数年と比べればいい状況なのでは。なぎにも恵まれ、まとまった量を水揚げできて良かった。ただ、これが今後も続くかは分からない。台風のあとに海の状態がどうなるか」と話した。
残る1隻の第八三笠丸は同日午後3時ごろに入港。30日朝に16㌧の水揚げを予定している。
県内では大船渡のほか、釜石市魚市場で26㌧のサンマ水揚げがあった。
県水産技術センター水産情報配信システムによると、市魚市場で昨年、サンマの水揚げが100㌧を初めて超えたのは9月16日。今季は公海におけるサンマ漁が例年より10日前倒しで解禁となっており、水揚げもいつもより早い時期から始まっている。
国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所が発表したサンマ長期漁海況予報では、今季の来遊量も低水準の見込みだが、ここまでの水揚げ量は昨年を上回るペースとなっており、さらなる漁獲増が期待される。