秋の高校野球沿岸地区予選/大船渡が県切符獲得 敗者復活戦で四校連合に劇的サヨナラ
令和6年9月3日付 6面
第77回秋季東北地区高校野球県大会の沿岸地区予選は1、2の両日、釜石市の平田公園野球場で敗者復活戦が行われた。敗者復活戦の初戦を勝ち抜いた大船渡と宮古商工、大船渡東、住田、山田の4校でつくる「三陸四校連合」が第3代表の座をかけて戦い、大船渡が劇的なサヨナラ勝ちで県大会出場への最後の1枠をつかみ取った。
1日は敗者復活戦の1回戦2試合が行われ、第1試合では三陸四校連合が釜石商工と激突。
初回に1点を先制された四校連合はその裏、長短4本の安打で3点を奪い試合をひっくり返すと、相手投手の制球の乱れを突いて得点を重ねた。6番・左翼で先発出場した住田の中村司も死球で出塁し、その後三塁まで進んで飛球でタッチアップ。チーム5点目の本塁を踏んだ。
試合はここから点の取り合いとなり、四校連合は四回に6―6の同点に追いつかれたが、その裏、死球と犠打、適時打で勝ち越しに成功。中村司も2死一塁から左前打を放つなど好機拡大に貢献し、次打者の適時打で1点を加えた。
五回にも追加点を挙げリードを広げた四校連合。七回には打者8人で4点を奪って7点差とし、コールドで今予選初勝利を飾った。
第2試合は、高田と大船渡の〝気仙勢対決〟となった。
先制したのは後攻の大船渡。初回、先頭の1番・大谷、2番・熊谷陽の連打と犠打で1死二、三塁とし、犠飛で1点を奪った。続く5番・佐藤の中前打で二走の熊谷陽が一気に本塁を狙ったが、高田の中堅・太田が好返球で刺し、追加点を許さなかった。
反撃したい高田は三回、先頭の8番・菊池の中前打と犠打で2死二塁の好機をつくり、2番・村上の左中間適時三塁打で試合を振り出しに戻した。
その後は膠着状態が続き迎えた八回、大船渡は1死から大谷への死球と代走から起用された2番・村上のバント安打、3番・熊谷航の右前打で満塁とし、内野ゴロで勝ち越した。
後がない高田は九回、6番・黄川田が内野安打を放つと、代打・臺が四球を選んで2死一、二塁とし、続く菊池の右前適時打で土壇場で同点に追いついた。その裏、大船渡は得点を挙げられず、試合は無死一、二塁から始まる延長タイブレークに突入した。
延長十回、高田の攻撃をゼロに抑えた大船渡は、相手投手のボークで無死二、三塁とし、守備交代から起用の9番・岩脇の犠飛でサヨナラ勝利を収めた。
2日は敗者復活戦の代表決定戦で大船渡と三陸四校連合が第3代表の座をかけてぶつかり合った。
0─0の同点で迎えた三回、大船渡は先頭の9番・岩脇が死球で出塁し、盗塁と捕逸で三塁まで進むと、1番・大谷の中前適時打で1点を先制。その後も二つの四球で2死満塁と好機を広げ、6番・山本、7番・佐々木暖の連続適時内野安打で2点を挙げ、この回計3点を奪った。
しかし直後の四回、四校連合は長短5安打を集める猛攻で同点とし、五回に1点を奪い逆転。六回にも1点を追加した。
三回以降、1点が遠い大船渡は後がない最終回の1死から、3番手で登板していた8番・熊谷航が中前打、同じく途中出場の9番・熊谷郁が四球を選び、同点の走者が出塁。ここで1番・大谷が値千金の右越2点適時三塁打を放ち同点に追いつくと、次打者の当たりが敵失となり、大谷が生還。劇的なサヨナラ勝ちで県大会出場を決めた。
試合結果次の通り。
▽敗者復活1回戦
釜石商工
1122100|7
5102204x|14
三陸四校連合
(七回コールド)
(釜)遠藤、堀内、箱石―柴田
(連)福士、佐々木―田中
⚾三塁打=柏谷(連)
⚾二塁打=柏谷(連)
▽同
高 田
0010000010|2
1000000101x|3
大船渡
(延長十回)
(高)小松、黄川田―清水
(大)熊谷航、新沼、熊谷航―熊谷友
⚾三塁打=村上(高)
▽同第3代表決定戦
三陸四校連合
000311000|5
003000003x|6
大船渡
(連)佐々木、由濱─田中
(大)新沼、木村、熊谷航─熊谷友
⚾三塁打=大谷(大)柏谷(連)
⚾二塁打=山崎(大)






