菊池さん(赤崎小5年)が県初V 盛岡でボルダリングサマーセッション マカルー(盛町)で競技力磨く

▲ ボルダリングの小学生カテゴリーで初優勝を飾った菊池さん=盛町・マカルー

 ボルダリングの「SUMMER SESSION2024」(岩手クライミングクラブ主催)はこのほど、盛岡市の県営運動公園第2ボルダリング競技場で開かれ、大船渡市から出場した菊池千里さん(赤崎小5年)がジュニア(小学生以下)男子の部で優勝を飾った。盛町の「ClimbingGym Makalu(マカルー)」(千田真一郎店長)で練習し、競技力の向上に励む菊池さん。「(ボルダリングは)楽しい。秋の大会はさらに上のレベルに挑戦したい」と意欲を見せる。(菅野弘大)


 ボルダリングは、垂直または傾斜のついた壁に設置されたホールドと呼ばれる石を使って設定された課題を登り切ることを目指すスポーツクライミングの一種。今大会では、トップ(完登数)、ゾーン(課題途中に設置されたゾーンと呼ばれるホールドの獲得数)で順位を争い、ジュニア男子には菊池さんを含む県内の小学生9人が出場した。
 競技は、ジュニア男女20人が制限時間内に8本の課題のクリアを目指した。
 菊池さんは、序盤から順調に課題をクリアしていき、7本を完登。残る1本は挑戦する順番の待ち時間が長く、数回しかトライできなかったため、ゾーンの獲得にも届かなかったが、難易度の高い第8課題を出場者で唯一完登するなど力を発揮し、優勝を飾った。「緊張もしたけど、ジュニアで優勝することが目標だったので、達成できて良かった」と笑顔を見せる。
 菊池さんは、テレビでマカルーが取材を受けている放送をたまたま目にしたことがきっかけで興味を持ち、昨年12月から通い始めた。当時は野球スポ少に所属していたが、今年4月からボルダリング1本に絞り、ほぼ毎日マカルーを訪れ、競技力の向上に汗を流している。
 オーバーハング(傾斜が90度以上)と呼ばれる強傾斜の課題を得意とし、菊池さんのトライを見守る千田店長も「しっかり体幹が入っていて、よく動けている」と評価。マカルーでは、大人たちと一緒に練習するなどして経験を積み、マカルーに設置されている3級(中・上級者レベル)の課題は全てクリアした。
 「自分で登るコースを考えてトライするのが楽しい」と魅力を語る菊池さん。パリ五輪のスポーツクライミング競技をテレビで観戦し、「次はリード種目にも挑戦したい」と、千田店長からロープをかけて壁を登っていく競技のやり方を教わっている。
 10月の大会出場にも意欲的で、カテゴリーをジュニアからミドル(学生・一般)に上げて挑戦する予定。「将来はSASUKE(スポーツ番組)に出たい」と大きな夢を抱き、飽くなき探求心でさらなる上達を誓う。