まちなかに笑顔集まる 「ほんまる茜市」初開催 にぎわい創出へ 今月毎週土曜日に計4回

▲ 「みんなで乾杯」。地ビールなどを味わい、イベントを満喫する来場者ら

 東日本大震災後、新たに形成された陸前高田市高田町の中心市街地に活気をもたらそうと、地元事業者らが企画した路上市「ほんまる茜市」(実行委主催)は7日、同町の本丸公園通りで初開催された。本年度は同日を皮切りに今月毎週土曜日夕方に4回開催し、来年度の本格実施を見据えて来場者の反応や運営上の課題を確かめる。地元グルメや酒を楽しむことができ、実行委が来場を呼びかけている。(高橋 信)


 この日は県内外の33店舗が出店。会場の一角で開会式が行われ、橋詰真司委員長(48)が号砲を鳴らし、販売がスタートした。一帯は「歩行者天国」となり、雨に見舞われたが、親子連れをはじめ幅広い世代の人が訪れた。
 広田町の40代男性は「今回は初めてで、お試し期間だと思う。いずれは今の倍くらい店舗数が増えれば、もっとにぎわった雰囲気になると思う」と話した。
 気仙町の陸前高田マイクロブルワリー(熊谷克郎代表)は、樽生のクラフトビール3種類を販売。熊谷代表(43)は「イベントの趣旨は大変素晴らしい。あとはこの場所でみんなでビールを飲もうみたいな雰囲気が醸成されればありがたい」と期待した。
 イベント終了後、来場者を周辺にある夜間営業の飲食店、居酒屋に誘導しようと、一部協賛店舗ではフードとドリンクをセットにした茜市開催日限定のお得なメニュー「茜市ほろ酔いセット」が提供された。
 実行委は、高田まちなか会(小笠原修会長)所属の事業者らで構成。同会は本年度、復旧事業で整えられた市街地を「陸前高田らしさを生かした何度も訪れたくなるまち」に発展させるべく、今後10~20年の方向性を示す「高田まちなかビジョン2024」を策定した。
 方針の柱の一つには「いつもなにかやっているまち」を掲げ、それを体現したのが今回の「ほんまる茜市」だ。毎週土曜日に開催することで、定期的・安定的に人を呼び込み、地域経済循環を促進しようと企画した。
 本年度は今月4回試験的に開催し、課題を探る。本格実施を目指す来年度は、春季(4~6月)、秋季(9、10月)の毎週土曜日に開催する方向で検討している。
 橋詰委員長は「まずは走り出すことが大事。準備期間が限られた中、出店していただいた事業者が多く心から感謝している。なんとしても継続させ、まちに活気を生み出していく」と決意を込める。
 販売時間は各日午後3時15分~6時30分。21日(土)にはダンス教室の発表、地元歌手のミニコンサート、28日(土)にはフラダンスショーを行う。
 問い合わせは、ほんまるの家(℡47・3389)へ。