地域守る仕事を体験 大船渡地区消防組合主催 おおふなと防災フェア(別写真あり)

▲ 防火衣を着用して放水を体験する子ども

 大船渡地区消防組合主催の令和6年度おおふなと防災フェアは8日、大船渡市盛町の市防災センターで開かれた。来場した親子連れらが、各種体験を通じて地域の安全を守る消防、警察、医療機関の仕事に理解を深め、家庭での防火、防災を考えるきっかけとした。
 同組合では、毎年9月9日の「救急の日」に合わせて「消防・警察フェア」を実施しており、コロナ禍をはさみ、昨年からは「おおふなと防災フェア」として開催。今年は14日(土)までの「救急医療週間」に合わせ、住民に対し救急医療、救急業務への正しい理解と認識を広めるとともに、幼い世代の防火思想高揚などを目的に開いた。
 消防組合のほか、気仙医師会、県立大船渡病院、大船渡警察署、大船渡保健所、未来かなえ機構、市が共催。会場には▽心肺蘇生法・AED体験▽地震体験▽消防アニメ上映▽消防車両展示▽消防車両乗車体験▽はしご車搭乗体験▽防火衣・空気呼吸器着装体験▽水難救助訓練展示▽ロープブリッジ渡過体験▽放水・消火体験▽濃煙体験▽消防指令センター見学▽白衣試着コーナー▽未来かなえ機構展示コーナー▽警察車両展示▽交通安全能力測定──などのブースが設けられた。
 開場から多くの親子連れが訪れ、昨年を上回る延べ650人が来場。各ブースには体験を待つ長蛇の列ができ、青空の下でにぎわいが生まれた。
 放水体験では、防火衣を着用した子どもたちが消防署員と一緒にホースを握り、水圧に負けないように標的を狙って消火。消防、警察車両に乗って記念撮影をしたり、はしご車搭乗、地震体験車は家族で体験する姿も見られた。スタンプラリーも開催され、来場者らは体験の〝制覇〟を目指して各ブースを楽しく回った。
 母親や弟たちと来場した佐藤悠太さん(大船渡北小4年)は「地震の体験は揺れが大きくて怖かったし、放水体験は水の勢いが強かった。火事現場で活動する消防士の人たちはすごいと思う」と憧れのまなざしを向けた。
 大船渡消防署の上村浩予防担当主幹は「多くの方に来場いただき、防火、防災に対する市民の意識、関心の高さがうかがえる。子どもたちに消防の仕事に興味を持ってもらうことで、将来、消防士や消防団員として地域防災に関わる人たちが出てくればうれしい」と期待を込めた。