自己負担は1回4300円程度 10月からコロナワクチン接種 主に高齢者対象  個別通知せず希望者が医療機関予約

 大船渡市は、10月から高齢者らを対象に行う新型コロナワクチンの「定期接種」に対し、接種時の自己負担額を1回当たり4300円程度とする方針を示した。陸前高田市と住田町も同水準となる。令和5年度までと異なり、個別の封書送付は行わず、接種希望者が事前に医療機関に予約する流れとなる。これまでと大きく変わることから、市では不安な点があれば問い合わせするよう呼びかけている。(佐藤 壮)

 

 ワクチン接種は5年度まで、まん延防止を目的とした予防接種法上の「特例臨時接種」として全額公費負担で実施。本年度以降は、高齢者らを対象に季節性インフルエンザ予防接種と同様の「定期接種」として行われる流れとなる。
 大船渡市の場合、市内に住所があり、65歳以上か、60~64歳で基礎疾患がある希望者が対象。総計は約1万3000人で、8000人程度の接種を見込む。
 各医療機関で定める接種費用は1回当たり1万5300円程度だが、市の助成額は1万1000円。差額の4300円程度が自己負担額となり、医療機関の窓口で支払う。生活保護を受給している対象者が接種する場合は、接種費用の全額を負担する。
 自己負担額は、気仙3市町で統一化を図る。県内の状況は3500円~4500円という。
 ワクチン配分は5年度まで、国が一括して購入し、自治体が調整して医療機関に配布してきた。今回からは接種する各医療機関が調達する。
 実施期間は10月1日(火)~翌年1月31日(金)で、1回接種となる。医療機関で行う事前予約制の個別接種のみで、これまで公共施設などで実施してきた集団接種は行わない。
 個別接種は市内12医療機関で行うが「かかりつけ患者のみ」といった対応もあり、確認が必要。実施期間や予約開始時期も、各医療機関によって異なるため、市では希望者が各自確認するよう呼びかけている。市外医療機関での接種を希望する場合は、市保健福祉部健康推進課に連絡する。
 これまで接種に合わせて実施してきたタクシー利用助成の予定はない。問い合わせは専用コールセンターではなく、市保健センター内の同課(℡27・1581)で対応する。
 同部の佐々木義和部長は「個人の判断とはなるが、なかなか収束が進まない中、希望される方はこの機会を逃さず接種してもらえれば。昨年度までと大きく変更しており、気軽に相談してもらいたい」と話す。
 個別接種医療機関や、5年度までとの違いは別掲。