白い船体 今年も優雅に 客船「飛鳥Ⅱ」1年3カ月ぶり入港(別写真あり)

▲ ゆっくりと滑るようにして入港する「飛鳥Ⅱ」

 郵船クルーズ㈱(本社・神奈川県横浜市)所有の大型クルーズ客船「飛鳥Ⅱ」(渡邉恒介船長、5万442㌧)が10日、大船渡港に入った。1年3カ月ぶり22回目で、地域住民らが白い船体との再会を喜んだ。
 飛鳥Ⅱは、養殖棚や島々の間を滑るように航行。野々田埠頭では、遠藤和子踊り教室や国際ソロプチミスト岩手リアス、大船渡商工会議所女性会、さいとう製菓㈱、食の匠グループ、椿の里・大船渡ガイドの会、大船渡・海を愛する会の関係者ら計50人超が並び、歓迎の舞として定着している『御祝い』を披露した。
 接岸すると乗船客が続々と姿を見せ、物産品が並ぶテントの下で足を止めたほか、観光ツアー用のバスに向かった。初めて大船渡を訪れたという北海道札幌市の河内美智子さん(70)は「郷土色あふれる歓迎がすてきだった。東日本大震災の翌年から、フラダンスのチャリティー活動に参加してきた。初めて乗る三陸鉄道が楽しみ」と話した。
 渡邉船長(51)も「大船渡は風景がきれいで、地元のおもてなしが熱い」と笑顔。歓迎セレモニーでは渕上清市長によるあいさつや、大船渡つばき娘による花束贈呈などが行われた。
 優雅な船体を間近で眺めようと、岸壁には早朝から地域住民らが訪れた。前日から心待ちにしていて、登園前に立ち寄ったというあかさきこども園の須賀健ちゃん(3)は「大きい。かっこいい」と語り、瞳を輝かせた。
 飛鳥Ⅱは全長241㍍、全幅29・6㍍。客室数436室を誇り、日本船籍最大の客船として知られる。東日本大震災が発生した平成23年にも入港し、住民らを勇気づけた。
 今回は道新観光(北海道)がチャーターし、北海道・苫小牧を発着地とするクルーズで来港し、乗船客は約650人。8日に苫小牧を出て、福島県・小名浜を経由し、大船渡に入った。
 10月13日(日)午前8時にも、神奈川県・横浜港を発着とする「秋の日本一周クルーズ」の一環で、大船渡に入港する。湾内で〝1泊〟し、14日(月・祝)同8時に出港する。