次期も「医・食・住」柱に 町議会定例会開会 総合計画策定へ神田町長示す

▲ 住田町議会9月定例会が開会

 住田町議会9月定例会は12日開会し、会期を24日(火)までの13日間と決めた。初日は荻原勝(無所属)、瀧本正德(同)、村上薫(同)の3議員による一般質問が行われ、公共交通や教育、まちづくりなどについて当局と論戦。この中で、来年度スタートする次期総合計画への自身の町政運営グランドビジョンの反映について問われた神田謙一町長は、「医・食・住の生活の基本をしっかりとつくりあげ、支え合う共生のまちを目指すことがグランドビジョン」とし、次期総合計画でも、「医・食・住」の各分野ごとに方向性を定めていく考えを示した。(清水辰彦、3面に一般質問の主なやりとり)

 

 現在の町総合計画は、令和2年度から6年度まで5カ年の施策の方向性を定めたもの。国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて国から策定を要請された「地方版総合戦略」と一体になっている。本年度で最終年度を迎え、7年度からは新たな計画がスタートする。
 一般質問で、同計画について取り上げた村上議員は、「神田町政の目指すグランドビジョンを次期総合計画にどのように反映するのか」と尋ねた。
 神田町長は就任1期目から、「住民生活の基本である『医・食・住』の充実」を重点として掲げ、町政を運営。2期目に入り、医療分野では「在宅医療等のあり方検討会」を設置し、医療資源の限られる町内において関係機関と連携しながら誰もが住み慣れた地域で暮らせるよう、在宅医療を推進。「食」では、関係機関と連携しながら、土壌改良効果や二酸化炭素排出量削減が期待される「高機能バイオ炭」の実証試験などの耕畜連携事業を展開。「住」に関連しては、町営住宅や定住促進空き家活用住宅を進めてきた。
 町政へのグランドビジョンと次期計画への反映について、神田町長は「医・食・住」の充実と、「支え合う共生のまち」を目指すことがグランドビジョンとしたうえで、「次期総合計画においては、現在の計画と同様、医・食・住の各分野ごとに取り組みの方向性を定め、役場、議会、町民が一丸となって誰一人取り残さず、皆が安心して幸せに暮らせる将来像を描いていけたら。議員をはじめ、町民の皆さまからも意見をいただきながら策定していきたい」とし、理解と協力を求めた。
 町では次期総合計画策定に向け、今月3日から9日にかけて町内5会場で住民懇談会を開催。今後、10、11月に総合計画推進委員会を開き、住民の声も踏まえながら年内をめどに新たな計画の素案を作成。その後、パブリックコメントも実施し、年度内の計画策定を目指す。
 定例会日程は次の通り。
 ▽13日=本会議(一般質問、議案審議)▽14日~16日=休会▽17日~19日=決算審査特別委員会▽20日~23日=休会▽24日=本会議(議案審議)


佐々木議長が「反省」述べる

 

 同日の定例会開会に先立ち、佐々木春一議長が議場で反省の言葉を述べる場面があった。
 佐々木議長は日本共産党所属。議長就任後、公平な議会運営のためにと会派構成上は「無所属」で活動しているが、党籍は外れていない。
 終戦記念日の8月15日に合わせて、同党は各地で平和を訴える街頭演説や集会などを展開。佐々木議長も同18日、町内で街頭演説などを行い、この中で政権を批判するような発言をしたという。
 これについて町議や町民から指摘があったことから、佐々木議長は議場で「今後、職名をけがさないように職務に精励し、規範を心として業務にあたり、町民の皆さまの議会に対する信頼・負託に応えていく」と述べた。