来月からワクチン定期接種 新型コロナウイルス 高齢者ら対象 市議会一般質問で当局説明

▲ 10月から高齢者らを対象に行われるワクチン定期接種(資料)

 陸前高田市議会定例会は12日、前日に続いて通告に基づく一般質問が行われ、市当局は10月から高齢者らを対象に実施する新型コロナウイルスワクチン定期接種の計画を示した。昨年度までは全額公費負担のため無料で接種できたが、今回から接種費用の一部自己負担が求められる。関連の情報は市ホームページでも確認できる。(高橋 信、2面に一般質問の主なやりとり)

 

 コロナワクチン接種は、大坪涼子議員(日本共産党)が取り上げた。「接種は10月予定となっているが、その周知はどのように進められているか」と質問した。
 対象者は▽65歳以上▽60~64歳で心臓、腎臓、呼吸器機能、免疫機能に障害がある人(身体障害者手帳1級程度)——。重症化予防を目的に、年1回接種する。
 接種費用は1回1万5300円程度とされ、市による助成額は国からの補助(8300円)を含めて1万1000円。接種を受けた人は、各医療機関で助成額を差し引いた額を支払う。
 対象外の人は「任意接種」となり、原則、全額自己負担となる。被生活保護世帯の人は全額助成される。
 予約受け付けや接種の開始時期は医療機関ごとに異なるため、接種希望者が直接各医療機関に問い合わせる必要がある。対象者や接種を行う医療機関などは、18日(水)発行の市広報で紹介する。
 新型コロナウイルスは昨年5月、感染症法上の位置付けが5類に引き下げられた。
 ワクチン接種は昨年度まで、まん延防止を目的とした予防接種法上の「特例臨時接種」に位置付けられ、全額公費負担で実施。本年度からは季節性インフルエンザと同様に、原則、一部接種費用を負担する「定期接種」に切り替わる。
 一般質問で同議員は「接種費用の全額助成を考えるべきではないか」と、当局の方針もただした。
 当局によると、国から当初示された接種費用は7000円程度だったといい、これを踏まえて可能な限り負担を減らす方向で検討していた。
 しかし、その後に国から示された費用が当初見込みの倍以上となる1万5300円程度となったため、大船渡市、住田町を含む気仙3市町で対応を協議し、本年度における助成額は3市町同一の1万1000円に決めた。
 細谷勇次福祉部長は「次年度以降の助成については今後の感染拡大の状況やワクチン単価、国の動向を注視し、2市1町で検討していきたい」と述べた。