来月設置の見通し示す 「地域医療懇話会」(仮称)巡り当局答弁 市議会一般質問 県立病院次期計画案など踏まえ課題協議

 大船渡市は、13日に開かれた市議会9月定例会一般質問で、国保診療所を含め今後の医療施策全般の将来的な方向性を議論する「地域医療懇話会」(仮称)について、10月をめどに第1回を開催する方針を明らかにした。県医療局が示した次期「県立病院等の経営計画(2025─2030)」の素案などをもとに協議する。渕上清市長は人口減社会に対応した「戦略的な縮小」への必要性にも言及し、地域や住民の実情に根ざしたあり方を探る考えを示した。
(佐藤 壮、2面に一般質問の主なやりとり)


 懇話会設置に関しては、船野章議員(改革大船渡)が質問。同議員は財政的に厳しい国保診療所運営に触れながら、3月定例会でも取り上げており、その中で当局側が「市全体をふかんした広い視野で考察することが前提」とし、設置の考えを示していた。
 渕上市長は「国保診療所の運営状況を含め、現状を把握するとともに、地域医療の基幹となる県立大船渡病院の方向性を考慮することが不可欠。次期県立病院等の経営計画素案がまとまり、機能や役割が示されたことから、県医療局や大船渡病院との情報共有、意見交換を行っている。今後、この計画を踏まえて懇話会を取り進めたい」と述べた。
 具体的な日程に関しては「課題抽出や懇談テーマを選定し、10月をめどに第1回、年度内をめどに第2回の開催を予定しており、来年度以降も継続的に開催する」と語った。
 安居清隆市民生活部長は懇話会の構成員について「保健、介護、福祉の各分野からサービス提供者、利用者相互の立場から意見をいただける方を選定する。気仙医師会、気仙薬剤師会、県立大船渡病院など医療機関関係者や、大船渡保健所などの行政機関、保健、介護、福祉に関わる方を含めて15人程度」と話した。
 同議員は再質問で、3月定例会の当局答弁に「スピード感も重視しながら」との表現があったことに触れ、「(新年度が始まり)6カ月もかかるのか」と批判。佐々木直央国保医療課長は「中長期的な人口構造や医療ニーズ変化を踏まえた検討など、一定の時間を要するものではあるが、慎重であるがゆえにスピードが遅くならないよう取り組みたい。関係機関との協議など準備を進めている」と答えた。
 さらに、同議員は「地域事情をどうくみ上げるか」と迫った。渕上市長は「地区ごとの人口動態を調べながら、より効率的な行政を考えたい。戦略的な縮減・縮小はこれから必要。地域に住む人の声は大事であるほか、地域の皆さんには少子化の流れを把握していただきたい。自分ごととしてとらえられるよう意見交換をしていきたい」との方針を示した。
 市の国保事業では、三陸町内で綾里、越喜来、吉浜の各診療所と綾里歯科診療所を運営。令和5年度の施設利用者は、前年度比で23・6%増加し、特に越喜来診療所の伸びが目立った。一方、財政運営では一般会計からの繰入金を受ける状況が続く。
 また、県医療局がまとめた令和7年度〜12年度を期間とする県立病院の次期経営計画案では、持続可能な医療提供体制構築に向け、県立病院間の機能分化と連携強化を一層推進する方針を掲げる。
 気仙圏域はこれまでと同様、大船渡を基幹病院、高田を地域病院、住田を地域診療センターに位置付ける。また、大船渡は「機能集約・強化」病院として、循環器内科等の症例数を釜石と集約するなど、医療機能のさらなる強化を図る内容となっている。

 同日の一般質問は4議員の登壇が予定されていたが、森操議員(無会派、公明党)が欠席したため、3議員に変更となった。