「コラボ菓子」今年も 相模女子大と大船渡の高瀬 11月の学園祭で販売へ

▲ 試作品を囲み意見を交わす相模女子大の学生たち

 平成23年の東日本大震災直後から大船渡市で復興支援活動を続ける相模女子大学(神奈川県相模原市、田畑雅英学長)では、今年も復興支援学生ボランティア委員会(浦野真祐子委員長)が中心となり、11月の学園祭で大船渡にちなんだ物産品販売を計画している。昨年に続き、大船渡に店舗を構える菓子店「菓匠 高瀬」が協力し、地元食材を生かした新たなスイーツを開発。学生たちはおいしさを通じた魅力発信に意欲を見せる。(佐藤 壮)

 

 大船渡市と相模原市は、ともに銀河連邦共和国を構成する自治体として友好関係を築く中、同大学では学生有志が被災地支援として大船渡市への訪問を続ける。仮設、災害公営住宅の住民との交流や、ツバキに関するプロジェクトなどに関わってきた。
 今回も地元関係者とともに地域活性化につながる活動を展開しようと、学生12人が13~15日に滞在。14日は、大船渡町のキャッセン大船渡を訪れ、高瀬キャッセン店の高橋照直店長(53)と、学園祭で販売する菓子の試食・打ち合わせを行った。
 高橋店長は、三陸町越喜来のリアスターファームで生産しているイチゴをペースト状にして練り込んだパウンドケーキを、新たに提案。今年2月に学生が同ファームを訪れた際、イチゴのおいしさに感銘し、原料として生かした菓子の開発を希望していた。
 試食では「イチゴの味をすごく感じる」「粒を感じられるのもいい」と好評の声が相次いだ。かわいらしい見た目とあって、スマートフォンで撮影する姿も多く見られた。
 今年も、高瀬の看板商品である「甘ほたて」と、相模原特産のきな粉を組み合わせたコラボ品を販売する。古くから相模原で栽培されてきた在来種の大豆を生かしたきな粉を活用し、もなかの中にまぶしている。昨年の学園祭では通常の「甘ほたて」とともに人気を集め、完売となった。
 高橋店長は「開発によって、新しい発見がある。学生と一緒に進めることで、作る側も刺激を受けている」と話す。パウンドケーキは今後、大船渡での販売も検討する。
 打ち合わせでは、包装に付ける独自のラベルデザインも協議。11月3日(日)、4日(月)の学園祭「相生祭」では、高瀬が製造する他の菓子商品や市内の特産品も合わせて販売するほか、来月も相模原市内で開催されるイベントで売り出すことにしている。
 副委員長を務める石崎芽生さん=学芸学部3年=は「おいしい菓子ばかり。パウンドケーキは見た目もかわいらしいし、甘さが苦手な人も楽しんでもらえると思う。大船渡を知ってもらえるきっかけになる」と語り、成功を誓っていた。