防潮堤に新たな彩り タイルアート新作設置作業 サン・アンドレス公園北側に(別写真あり)
令和6年9月17日付 1面
大船渡市大船渡町のサン・アンドレス公園北側の防潮堤で16日、新たなタイルアート作品の設置が始まった。市内外の子どもたちがワークショップを通じて制作した「目」などは今後、公園周辺に彩りをもたらすとともに、地域を見守る役割を担う。設置作業は17日と19日(木)も行うほか、21日(土)と22日(日・祝)には「謎解きと宝探し」のイベントを開催し、園内に活気を呼び込む。
設置作業は、一般社団法人三陸まちづくりART(前川一枝代表理事)が展開する三陸ブルーラインプロジェクトの一環。今年は、さんりく基金イベント開催事業助成や、県の「被災者の参画による心の復興事業費補助金」などを生かしている。
この日は、法人関係者に加え、ボランティアの大船渡、大船渡東両高校の生徒ら合わせて約10人が参加。色鮮やかなアート作品をコンクリートの壁に貼り付けた。
8~9月にかけて市内外のこども園などで行われたワークショップでは、色とりどりのタイルを用いての制作が行われ、子どもたちが精力的に参加。今回も京都府在住のアーティストで、空間演出などを担当する井上信太さん(56)らが出向き、自由な感性を引き出しながら、森や海などにひそむ妖怪の目や妖怪そのものを、タイルの組み合わせで表現した。
今回新たな作品を設置するのは、公園北側の駐車場から湾奥方向に伸びる防潮堤。これまで貼られていた作品を一部更新するもので、約1年間の設置を計画し、湾岸に彩りをもたらす。
設置作業では、ボランティアの生徒たちは妖怪の作品に上部から青色を塗る作業でも汗を流した。参加した大船渡高校の千葉真由子さん(1年)は「子どもたちの作品が、それぞれ違うのを見るのも楽しい」と話し、瞳を輝かせた。
井上さんは「限られた期間の設置ではあるが、世界に向けて誇りに思えるものを残していきたい。地域に伝わる明るい妖怪たちの〝目〟が、防潮堤から見守ってくれる。作品を見るだけではなくて、防潮堤に触れ、身近に感じてほしい」と期待を込める。
17日と19日の設置作業は午前10時~午後4時(正午から1時間は休憩)に予定。誰でも参加でき、短時間の作業や見学も歓迎する。
展示記念イベントのうち、21日は「セバスティアンの鬼奇怪界」を午後6時~9時に開催。三陸沿岸に伝わる怪談や神秘的な民話をもとにした歴史ミステリーを解き明かし、金の鉱脈を見つけるストーリーを楽しむ。
22日は「セバスティアンの黄金伝説」が午前9時30分~正午に開かれる。三陸の文化・自然にまつわる伝説を生かしたワークショップや「謎解き宝探し」などを予定している。
いずれも参加者はすでに定員に達したが、両日ともイベント内で行われるミュージカルなどは自由に鑑賞できる。
問い合わせは三陸ブルーラインプロジェクト事務局(℡47・5123)へ。