三陸の秋の味 自宅で 冷凍にぎりずしを開発 大船渡「三笑」 と東京の業者 県産ネタや「銀河のしずく」素材に
令和6年9月28日付 7面
大船渡市の水産加工業「三笑」(佐々木隆男代表取締役)と、宅配すし事業「銀のさら」を運営するライドオンエクスプレス(東京都、江見朗代表取締役社長)が、本県産の水産物とオリジナルブランド米「銀河のしずく」を使った、冷凍の「ご自宅にぎり寿司(岩手県秋)」を開発した。国内有数の漁場である三陸沖で採れた海産物を使った本格的なにぎりずしが自宅で楽しめる。10月15日(火)に販売を開始する。
ネタは県産の▽陸前高田サーモン▽真イカ▽ソイ▽アイナメ▽ヒラメ昆布〆――と、銀のさら定番の▽マグロ▽ホタテ▽生エビ▽イクラ▽ネギトロ――の計10種。シャリには銀河のしずくを用いている。
自宅で食べる直前にシャリを電子レンジで、ネタを流水でそれぞれ解凍し、自ら握って食べる商品。解凍方法、握り方などを記載した説明書も同封される。
互いに冷凍ずしの開発を進めていたことを知った三笑の佐々木代表取締役と、ライドオンエクスプレスでプロマネジャー兼バイヤーを務める門馬正さんが意気投合し、約1年半の試行錯誤の末完成させた。従来の冷凍ずしでは数時間を要していた解凍時間を10分以内に抑えるなど、さまざまな工夫が施されているという。
佐々木代表取締役は「ソイやアイナメなど、岩手の人でも沿岸に行かなければ食べられないネタを、新鮮なまま自宅で食べることができる。普段食べることができないネタをぜひ味わってほしい」と自信を見せる。門馬さんも「まずは銀河のしずくのシャリをしっかり味わってほしい。商品を通じ、魚を取っている漁師さんにも喜んでもらえれば」と語った。両社では、今後も岩手産の季節の魚を使った冷凍ずしを展開する予定という。
佐々木代表取締役と門馬さんらは20日、県庁と訪れ、達増拓也知事に商品の完成を報告。達増知事は商品を試食し「冷凍ずしのイメージは一切ない。いいすし店のカウンターで出てくるような見た目と味だ」と太鼓判を押した。
価格は税込み2680円。県内の道の駅や、岩手県産㈱が運営する全国のアンテナショップ、オンラインサイトの「いわてバーチャル物産展」で取り扱う。