心通わせ初のステージへ 陸前高田の2中学校吹奏楽部と市民楽団 11月、市産業まつりで合奏披露(別写真あり)

▲ 産業まつりで披露する楽曲を練習する中学生と市民吹奏楽団メンバー

 陸前高田市産業まつり(実行委主催)は11月2(土)、3(日)の両日、高田町のアバッセたかた駐車場などで開かれる。3日のステージプログラムでは、市内2中学校の吹奏楽部と市民吹奏楽団が合奏を披露する予定。現在、出演者約40人による合同練習が展開されており、本番成功に向け、音楽を通じて心を通わせている。(阿部仁志)


 当日は、高田第一、高田東両中学校の1、2年生合わせて約30人と、市民吹奏楽団の10人余りが出演を予定している。3者合同のステージは、今回が初めて。
 演奏曲は、テレビドラマの主題歌や映画で知られる曲など。各校吹奏楽部でこれまでに演奏したことのある楽曲から選んだ。
 合同練習は9月21日から始まり、今月12日(土)までに計4回を予定。
 9月28日は、高田町の市コミュニティホールで2回目の合同練習を実施。個々の音だしやパート練習を行ったうえ、合奏に移った。
 合奏では、同楽団メンバーが先頭に立ち、音程やリズムの合いにくい小節や、全体で強弱をそろえる部分など、楽曲の要所を確認。「今の入りは良かった」「ここはもう少し盛り上げたい」などの声に、生徒たちが元気な返事やうなずきで応じ、完成度の高い演奏をともに目指した。
 高田第一中の部長でサックスパートの菅野晴音さん(2年)は「この人数で合奏できるのが新鮮で、音質や迫力も全然違って練習のモチベーションが上がる。本番では、お客さんにかっこいいと思ってもらえる演奏をしたい」と意気込む。
 高田東中の部長でユーフォニアム担当の佐藤希美さん(同)は「普段少ない人数で練習しているので、同じパートを吹く人が複数いて、大人とも一緒に吹けるというのは安心感がある。自分たちだけでなく、聞いている人も心から楽しめる合奏をしたい」と誓う。
 平成29年創設の市民吹奏楽団は、初心者、経験者問わずメンバーを受け入れ、合奏する楽しさを共有することを軸に活動。将来的に、地域移行が進む中学校部活動の〝受け皿〟の一つとなる可能性も見据えており、今回の交流を「貴重な機会」と捉える。
 山本健太団長(39)は「生徒たちには、少人数では出せない音を間近に感じて技術向上に生かしてほしい。われわれも刺激をもらい、より良い演奏につなげたい」と熱を入れる。