2024参院補選岩手選挙区/元・新5氏の争い濃厚 きょう告示 自民は擁立見送りへ

 参議院岩手選挙区の補欠選挙は、10日告示される。表明順に、諸派の新人・小田々豊氏(69)、立憲民主党公認の元職・木戸口英司氏(61)、無所属の新人・田中亜弓氏(53)、諸派の新人・松島弘典氏(67)、参政党の新人・吉田利也氏(48)が出馬を予定。自民党は候補擁立を見送り、元・新5人による争いが濃厚となっている。「政治とカネ」の問題などを巡って不信感の高まりもみられる中、有権者の信頼を勝ち取るための論戦が県内全域で展開される見通しだ。

 

 今補選は、前回選の雪辱を狙う木戸口氏に新人4人が挑む構図となる見込み。木戸口氏は、令和4年の参院選で敗れたあとに解散した後援会を再構築。立民県連所属の県議や無所属県議からなる政治団体「岩手を守り日本を変える会」(代表・佐々木順一県議)も設立され、これまでも国政選挙で共闘体制を取ってきた県内野党組織と連携して支持拡大を狙う。
 田中氏は滝沢市議時代や県議選出馬時の後援会組織を拡充しながら戦い、小田々氏は岩手に地縁はないが独自の活動を展開。吉田氏は出身地である陸前高田市の各所にも足を運び、松島氏も県内を回りながら浸透を急ぐ。
 今補選は国から公設秘書給与をだまし取ったとして詐取罪で在宅起訴された広瀬めぐみ氏(58)=自民党離党=の議員辞職に伴うもの。
 自民は前回選への広瀬氏擁立のけじめを取るとして候補擁立を断念しており、「保守票」の行方にも注目が集まる。
 全国的に「政治とカネ」を巡る疑惑で政治不信が高まっている現状を踏まえ、政治変革を公約や争点に掲げる候補が多く、税制改革や賃上げ、子育て支援なども争点となりそうだ。
 県選挙管理委員会は9日、盛岡市内丸の盛岡地区合同庁舎で立候補届け出の受け付けリハーサルを実施した。
 届け出順を決めるくじ引きや、胸章や運動員用腕章などといった「選挙七つ道具」の交付などがスムーズに進むよう、あらかじめ作業手順を確認した。
 10日は午前8時30分から盛岡地区合同庁舎で立候補届け出を受け付ける。同9時30分以降は受付場所が県庁となる。各候補は届け出後、盛岡市内でそれぞれ第一声を上げる。
 本県における参院補選は、昭和22年、43年、62年に次いで4度目。次期衆院選は15日公示、27日投開票の日程で予定され、本県のみ「衆参同日選」となる。
 10月9日時点の県内の選挙人名簿登録者数(有権者数)は100万2006人(男48万307人、女52万1699人)。