2024参院補選岩手選挙区/17日間の舌戦幕開け 元新5人が立候補 政治の信頼回復期し第一声

▲ 5氏が立候補し、選挙戦がスタート。有権者らが候補の訴えに耳を傾けた=盛岡市

 参議院議員岩手選挙区補欠選挙は10日、告示された。元職と新人の計5氏が立候補を届け出し、投票日の27日(日)に向け、17日間の選挙戦に突入。今補選は、詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ前参院議員=自民党離党=の議員辞職に伴うもので、全国的な「政治とカネ」の問題による政治不信の高まりもあって、有権者の目は厳しい。15日(火)公示、27日投開票の日程で行われる衆議院の総選挙と合わせ、政治への信頼を回復するような舌戦が期待される。(7面に立候補者の第一声)

 

 今補選には、届け出順に、参政党の新人・吉田利也氏(48)、諸派の新人・小田々豊氏(69)、諸派の新人・松島弘典氏(67)、立憲民主党の元職・木戸口英司氏(61)、無所属の新人・田中亜弓氏(53)の5氏が立候補。自民党県連は、前回選で広瀬氏を擁立した責任を取り、公認候補擁立を見送った。
 立候補の届け出は盛岡市の県盛岡地区合同庁舎で午前8時30分から行われた。午後5時に締め切られ、予想された5氏による選挙戦が確定した。
 届け出後、各候補は盛岡市内で第一声を上げ、県内での遊説をスタートさせた。
 吉田氏は盛岡市南仙北の事務所で出陣式を行った後、JR盛岡駅前で第一声。神谷宗幣党代表がマイクを握り、「国の経済のやり方、運営方法を第一に変えなくてはならない」などと訴えた。
 小田々氏は盛岡地区合同庁舎での届け出後、その足で県庁前に移動して第一声を上げた。5候補の中で唯一、岩手に地縁が無く、手探りの選挙戦となる見込み。今後はボランティアを募りながら、ポスター掲示や街頭演説などを精力的に行うという。
 松島氏は宗教法人「幸福の科学」盛岡中央支部に設けた選挙事務所で出陣式を行い、続けて同支部駐車場で第一声。幸福実現党の釈量子党首も駆け付け、松島氏の人柄や功績、党の政策を主張した。
 木戸口氏は盛岡市の選挙事務所で出陣式に臨み、必勝を祈願。達増拓也知事らがマイクを握り激励した。その後、近くの繁華街で行った第一声では、立民の小沢一郎前衆議院議員や横沢高徳参議院議員らもあいさつ。「頑張ろう」と一斉に気勢を上げ、遊説に向かった。
 田中氏は盛岡駅前で第一声。運営する動物保護施設の「卒業犬」も飼い主に連れられ、応援に駆け付けた。廃校舎を活用した高齢者と子ども、保護犬猫の触れ合い拠点整備などを訴え、支持者とともに「頑張ろうコール」を行い、遊説に出発した。
 県選管によると、10日時点の県内の選挙人名簿登録者数(有権者数)は100万2609人(男48万544人、女52万2065人)。大船渡市は2万8314人(男1万3481人、女1万4833人)、陸前高田市は1万5376人(男7416人、女7960人)、住田町は4174人(男2044人、女2130人)となっている。
 前回選登録日(令和4年6月22日)に比べ、県全体は3万4212人、大船渡市は1558人、陸前高田市は726人、住田町は305人減った。

 

きょうから期日前投票

 

 参議院議員岩手選挙区補欠選挙の期日前投票は、11日から26日(土)までとなる。各選挙管理委員会では、棄権防止や混雑回避の観点から、活用を呼びかけている。
 期日前投票は、仕事やレジャー、冠婚葬祭、病気などのため投票日当日に投票所に行くことができない有権者が対象。
 宣誓書に記載されている「期日前に行う事由」を選択する以外は、当日の投票と同じ流れとなる。
 会場は、大船渡市が市役所、三陸町越喜来の三陸支所、綾里地域振興出張所、吉浜地域振興出張所。陸前高田市は市役所、住田町は町役場。
 投票時間は午前8時30分から午後8時までとなる(三陸支所、綾里と吉浜の各地域振興出張所は午後5時15分まで)。
 なお、衆議院選挙が15日公示となることに伴って、本県のみ「衆参ダブル選」となるが、衆院選の期日前投票は16日(水)からとなる。
 問い合わせは各市町選管へ。