子ども目線で魅力紹介 ネイチャーマップ完成 津田塾大生が考案

▲ 津田塾大生が考案した「住みっ子ネイチャーマップ」

 住田町と連携協力に関する包括協定を結ぶ津田塾大学(東京都、高橋裕子学長)の学生が考案した「住みっ子ネイチャーマップ」が完成した。地元の小学生らとのワークショップを経て制作し、子ども目線で住田の魅力を発信するもので、町は「観光ガイドマップと合わせて読むことで住田を楽しんでほしい」と呼びかけている。
(清水辰彦)

 

 津田塾大は、東日本大震災被災地における医療・福祉・介護連携分野の支援をきっかけに、同町との関わりを強めてきた。こうしたつながりを地域活性化や大学教育・研究推進に反映させようと、平成30年2月に同町と包括連携協定を締結。以降、相互の資源やネットワークなどを活用し、地域社会の課題解決や人材育成を図っていこうと、学生が同町を訪問して交流・体験を行っている。
 新型コロナウイルスの影響で令和2、3年度は訪問がかなわなかったが、4年度は3年ぶりに来町。これ以降、自治体と地域住民による地方創生について学び、今後の地域社会について考えるプログラムの一環として、住田の地域課題解決に向けた取り組みの実現を目指して活動。町では学生たちの取り組みに〝予算付け〟し、旅費などの面で活動を支援してきた。
 ネイチャーマップは、同大総合政策学部の栗田ひのさん(4年)、岩田果歩さん(同)の2人が中心となって考案したもの。
 2人は2年生時に来町した際、町内に住む子どもたちが、家族や友人以外と関わる機会が少ないという課題に着目。そこから、「町内小中高生参加によるマップ作りを行うことで、幅広い学校・年齢の児童・生徒が関わる機会を増やすことにつながるのではないか」との狙いでマップ作りを開始した。
 昨年8月には、世田米のイコウェルすみたを会場に、地元小学生や高校生計8人が参加してのワークショップを開催。参加者が「住田の好きな所」「自慢したい所」などをイラストや文章で紹介し合い、この中で、上有住の滝観洞や、種山ヶ原の多様な生態系、地域の祭事、地元特産品のほか、自然や人、食などさまざまな魅力が挙がった。栗田さんと岩田さんはこれらをマップにまとめ、子どもたちの書いたイラストも取り入れて完成させた。
 町ではこのマップを約200部印刷。町発行の観光ガイドブックと合わせて、役場、イーガストすみた、イコウェルすみた、まち家世田米駅、滝観洞観光センターの町内5カ所のほか、東京都の津田塾大学キャンパス、県アンテナショップ「いわて銀河プラザ」、東京交通会館内にある「ふるさと回帰支援センター」の各所に配架。子どもらしさを前面に出し、「見て楽しむ」ためのネイチャーマップと観光ガイドブックを活用しながら地域の魅力を発信している。