2024衆院選岩手2区/前・新2氏が立候補予定 あす公示 与野党一騎打ちの公算

 解散に伴う第50回衆議院議員総選挙は15日(火)に公示され、27日(日)の投開票に向けて12日間の選挙戦に突入する。気仙3市町を含む岩手2区は自民党の前職・鈴木俊一氏(71)、立憲民主党の新人・中村起子氏(59)が立候補を予定しており、与野党一騎打ちとなる見込み。首相就任から8日後の解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短。与党の自民、野党第1党の立民ともに新たなトップのもとで迎える〝短期決戦〟の火ぶたが切って落とされる。(文中、写真の立候補予定者名並びは衆議院解散時の勢力順)。

 

中村起子氏

鈴木俊一氏

 今月1日に就任した石破茂首相は、「日本、国民、都市の安全・安心、地方の暮らし、若者・女性の機会を守る。日本の社会のあり方を根本から変えていく」と強調し、「日本創生解散だ」と名付け、今月9日に衆議院を解散。同日の臨時閣議で15日公示、27日投開票の選挙日程が決まり、事実上の選挙戦に突入した。
 衆院選は令和3年以来3年ぶり。小選挙区定数「10増10減」などによる新区割りで初めて実施され、小選挙区(289議席)と、全国11ブロックごとの政党得票率で選出する比例代表(176議席、うち東北12議席)で、計465議席を争う。
 自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受けての政治改革、物価高に対する経済対策などが争点として挙げられる。解散時の勢力は、連立を組む自民と公明で290議席(自民258、公明32)、野党第1党の立民は98議席。自民党は、政治資金収支報告書に不記載があった12人について、今衆院選では非公認としている。こうした中、自民、公明の両党で過半数の233議席を維持できるか、政権交代を掲げる野党が過半数超えを阻止するかが焦点となる。
 気仙を含む岩手2区に立候補を予定しているのは、自民党前職で、岸田内閣では財務相を務めた鈴木氏=10期、立憲民主党の新人・中村氏の2人。石破新総裁体制でも、党四役に挙げられる総務会長に就任して11選を目指す鈴木氏に、衆院選は初出馬の中村氏が挑む構図となりそうだ。
 各陣営は15日、盛岡市の県公会堂で立候補の届け出を済ませたあと、本州一の広さとなっている2区での運動をスタートさせる。
 鈴木氏は午後0時30分ごろに宮古市の宮古駅前で、中村氏は午前9時ごろに滝沢市の事務所前で、それぞれ第一声を上げる予定。
 このほか、県内からは比例代表東北ブロック(定数12)に自民党新人・佐々木飛島氏(53)、公明党新人・小野寺泰明氏(38)が単独立候補を表明した。
 10日現在の岩手2区における選挙人名簿登録者数は、34万9831人(男16万8375人、女18万1456人)。このうち気仙は、大船渡市は2万8314人(男1万3481人、女1万4833人)、陸前高田市は1万5376人(男7416人、女7960人)、住田町は4174人(男2044人、女2130人)となっている。