2024衆院選岩手2区/12日間の舌戦幕開け 予想の2氏が立候補 与野党一騎打ちの構図に
令和6年10月16日付 1面
第50回衆議院議員総選挙は15日に公示された。気仙3市町を含む岩手2区には、届け出順に、自民党の前職・鈴木俊一氏(71)、立憲民主党の新人・中村起子氏(59)の2氏が立候補。両氏は街頭や選挙事務所前で第一声を上げ、12日間にわたる選挙戦の幕開けを告げた。投票は27日(日)に行われ、即日開票される。
県内選挙区への立候補届け出は、午前8時30分から盛岡市の県公会堂で行われ、午後5時に締め切られた。2区は立候補が予想された2氏以外に届け出はなく、一騎打ちの選挙戦に突入した。
鈴木氏は宮古市の宮古駅前で第一声。岸田内閣で財務大臣を務めた実績をアピールしながら、経済成長と財政再建、防衛力強化などを唱え、「国民の皆さんの生活を守る」と語った。
中村氏は滝沢市の選挙事務所前で第一声を上げ、東京一極集中の是正、過疎、少子化などの解消による農林水産業の振興など、地方の存続・活力増強へと力を込めた。
両氏とも、第一声のあとは気勢を上げて選車に乗り込んで遊説に出発。総面積約9650平方㌔㍍と、本州一の面積を誇る広大な岩手2区の戦いがスタートした。
衆院選は、自民、公明の与党が定数3分の2超の大勝をおさめた令和3年以来3年ぶりとなる。小選挙区定数「10増10減」などによる新区割りで初めて実施され、小選挙区(289議席)と、全国11ブロックごとの政党得票率で選出する比例代表(176議席、うち東北12議席)で、計465議席を争う。
県内からは比例代表東北ブロックに、自民党新人・佐々木飛島氏(53)、公明党新人・小野寺泰明氏(38)、立憲民主党新人・伊藤勢至氏(77)が単独立候補している。
今月1日に就任した石破茂首相は、9日に衆議院を解散。同日の臨時閣議で15日公示、27日投開票の選挙日程が決まった。
首相就任から8日後の解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短。与党の自民、野党第1党の立民ともに新たなトップのもとで迎える〝超短期決戦〟は、自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受けての政治改革、物価高に対する経済対策がなどが争点として挙げられる。
本県など東日本大震災被災地では産業振興や人口減少対策、復興後のまちづくりへ、どのような道筋を示すかも注目される。
解散時の勢力は、連立を組む自民と公明で290議席(自民258、公明32)、野党第1党の立民は98議席。自民党は、政治資金収支報告書に不記載があった12人について、今衆院選では非公認としている。
こうした中、勝敗ラインを過半数の233議席とする自民・公明の与党に対し、野党は「政治改革」と「政権交代」を掲げ、与党の過半数阻止に向けて議席の切り崩しを狙う。
本県は、詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ前参院議員=自民党離党=の議員辞職に伴う参議院議員岩手選挙区補欠選挙が10日に告示されており、元職と新人合わせて5人が立候補した。同補選と衆院選が同日投開票日の「衆参ダブル選」となっている。
県選管によると、15日現在における2区の選挙人名簿登録者数(在外含む)は、34万9768人(男16万8352人、女18万1416人)。3年10月の前回選公示日に比べ、2万537人の減。
このうち、大船渡市は2万8309人(男1万3477人、女1万4832人)、陸前高田市は1万5373人(男7415人、女7958人)、住田町は4174人(男2043人、女2131人)。前回選公示日比で大船渡市は1965人、陸前高田市は825人、住田町は356人減った。
きょうから期日前投票
第50回衆議院議員総選挙と第26回最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票は、16日から26日(土)までとなる。
期日前投票は、仕事やレジャー、冠婚葬祭、病気などのため投票日当日に投票所に行くことができない有権者が対象。宣誓書に記載されている「期日前に行う事由」を選択する以外は、当日の投票と同じ流れとなる。
気仙の会場は、大船渡市が市役所、三陸町越喜来の三陸支所、綾里地域振興出張所、吉浜地域振興出張所。陸前高田市は市役所、住田町は町役場。
投票時間は午前8時30分から午後8時までとなる(三陸支所、綾里と吉浜の各地域振興出張所は午後5時15分まで)。
参議院議員岩手選挙区補欠選挙の期日前投票も26日まで行われている。