秋の風物詩 横田に活気 5年ぶりあゆの里まつり(動画あり)

▲ 気仙川でとれたアユの塩焼きなどが提供されたまつり

 陸前高田市横田町の横田あゆの里まつり(同実行委主催)は27日、同町の川の駅よこたで開かれた。新型コロナウイルス禍の影響で昨年まで4年連続で中止となったため、5年ぶりの開催。気仙川産アユの塩焼きをはじめ、川や田畑でとれた横田自慢の食が提供されたほか、農村ならではのイベントが多彩に繰り広げられた。地区内外から大勢の人が集まり、活気が広がった。(高橋 信)


 この日は爽やかな秋晴れに恵まれ、市民らが続々と訪れた。名物のアユは約1200匹用意され、塩焼きの販売が始まると、買い求める人で行列を作った。気仙川でとれるモクズガニを使った横田名物のお吸い物「カニのふわふわ」も人気を博した。
 恒例のジャンボのり巻き作りは、地元の女性たちで組織する横田町栄養三色研究会(長谷川節子会長)協力のもと実施。約20人が力を合わせ、長さ7・2㍍ののり巻きを完成させた。
 のり巻き作りに加わった佐々木拓市長は「あゆの里まつりは非常に楽しみにしていたイベント。気仙川は大切な宝。もっとPRしていきたい」と市民との触れ合いを楽しんでいた。
 アトラクションは、横田保育園の鼓笛隊で開幕。横田小の児童たちは地元に伝わる「若竹太鼓」を披露し、盛岡市の市民バンドによるステージもあった。
 同園年長児の泉田悠有ちゃん(5)は「上手に演奏できた。みんなの前で鼓笛隊をやって楽しかった」と声を弾ませた。
 最後は餅まきが行われ、老若男女の歓声が響いた。地元に住む小金山フミ子さん(75)は「まつりは年に一度の楽しみ。これからも続いてほしい」と願った。
 今年は、県外に住む大学生ら約20人が運営に協力。芝浦工業大(東京都)3年の山本晃裕さんは「皆さん表情が生き生きしており、地域のエネルギーを感じた」と、熱心に住民らと交流した。
 実行委は、横田地区コミュニティ推進協議会(及川昇会長)を中心とする町内関係団体で構成。あゆの里まつりは地域活性化と産業振興の推進を目的に毎年開催されているが、令和2~5年度はコロナ禍を受けて中止した。
 及川会長は「まつりは横田最大のイベント。久々の開催となった中、多くの人に来ていただき、大変喜ばしい。少子高齢化が進むが、こうした取り組みを通じて活気を維持していきたい」と話した。