開館2年で来館者12万人超 市立博物館 4日に記念ワークショップ ミニ図鑑作りなど企画

▲ ワークショップのポスターを手にする学芸員

 東日本大震災で全壊し、中心市街地に再建された陸前高田市立博物館(菅野義則館長)は5日(火)、開館から2年を迎える。同市の自然や歴史、文化を学ぶ資料を概観できる施設の来館者は累計12万人を超え、まちのにぎわい創出にも貢献している。4日(月)午前10時~午後4時には記念のワークショップ「博物館とあそぼ!」を開催し、誰でも参加できる。(高橋 信)


 4日のワークショップは、大阪市の認定NPO法人大阪自然史センターなどの協力のもと実施する。
 1階企画展示室に縄文時代の山・川・海をイメージしたエリアを設け、おもちゃの弓矢を使った的当てや釣りのゲームを体験できる。ゲームで捕まえた生き物の塗り絵カードを集めてミニ図鑑を作ることができる。
 常設展示室では、同館のオリジナルキャラクター「どんこ博士」のラミネートカード100枚を好きな場所に隠すゲームを実施。9日(土)に隠されたものの中から正しいカード6枚を見つけるゲームを行い、すべて正解した人には記念品を贈る。
 同館は昭和34年、東北地方第1号の公立登録博物館として開館。同市の自然、歴史、文化の資料を収蔵・展示する総合博物館としての役割を担ってきた。
 震災で施設は全壊し、新館は同じく全壊した同市の「海と貝のミュージアム」の機能を併せ持つ施設として再建。資料保護のため館内の空気環境を安定させる「枯らし期間」を経て、開館にこぎ着けた。
 全国の専門機関、大学の支援を受け、被災資料の再生にも取り組んでおり、被災資料約56万点のうち、約46万点を救出。津波をかぶった資料の修復は国際的にも例がなく、作業は現在も続けられている。文化財保存の重要性を発信しようと、一部再生作業の様子は新館で公開している。
 開館1年の昨年11月には、友好館である名古屋市博物館から無償で貸与され、フランスの彫刻家オーギュスト・ロダン作のブロンズ像「考える人」の展示が始まった。現在も常設展示室入り口前の展示ロビーに置かれ、来館者を迎えている。
 来館者数は令和4年度が開館からの5カ月間で3万20人、5年度が5万9308人。6年度は4~10月で3万4815人と、前年同期比で131人増となっている。
 菅野館長は「たくさんの人に来館してもらい、応援や励ましの言葉もいただき、とてもうれしい。これからも子どもから大人まで誰にでも楽しみながら学べる施設としての運営を目指す。ワークショップはその一つで、気軽に参加してほしい」と呼びかける。
 問い合わせは、同館(℡54・4224)へ。