女子個人Vで2度目の全国へ 県高校文化連盟新人大会 日将連大船渡支部の中谷さん(不来方高1年)
令和6年11月5日付 6面

日本将棋連盟大船渡支部(平山敏夫支部長)に所属する大船渡市立第一中出身の中谷天音さん(不来方高1年)が、盛岡市でこのほど開かれた第43回県高校文化連盟新人大会(県高文連など主催)の女子個人戦で優勝し、全国切符を手にした。本年度の第46回県高校将棋大会では、準優勝で全国大会に出場。リベンジの優勝をつかんだ中谷さんは「もう一度全国の舞台に行けることがうれしい。次こそは予選突破を」と目標を見据え、棋力のレベルアップに意欲を見せる。
1、2年生で争った今大会。女子個人戦には13人が出場し、トーナメント戦を繰り広げた。
県準優勝の中谷さんはシードでの出場となり、初戦と第2戦は「わずかにミスがあって、ひやっとした場面もあったが、なんとか勝ち切れた」と反省もありつつ1位決定戦に進出した。
最後の相手は、県高校将棋大会で優勝を譲った畠山史子さん(一関一高2年)。中谷さんも何度も対戦経験があったが「(畠山さんは)実力があって、ずっと勝てなかった。今回こそは勝ちたいと思っていた」と対局に臨んだ。
飛車を中央に振る攻撃的な戦法「中飛車」を得意とする中谷さんだが、決定戦はお互いに中飛車で戦う「相中飛車」の様相を呈した。その中で「こちらの誘いに乗ってくれた」と、自身が思い描く理想の局面に持ち込み、序盤から一気に攻勢を強めた。
「勝てるチャンスが舞い込んできた」と思った半面、「駒数の少なさや一つのミスで逆転される可能性も十分あった。無駄な手を指さないことと、早く詰ませるための道筋を考え、慎重に進めた」と冷静に流れを読んだ。優勝を手にし「ずっと勝てなかった畠山さんに勝てて、うれしさよりもほっとした」と笑顔を見せた。
今年8月の全国大会では、2、3年生も多く出場した中、予選で2勝を挙げて健闘した。目標としていた予選突破にはわずかに届かなかったものの、「全国大会の引き締まった雰囲気を感じることができたし、他県の人たちとの交流も面白かった」と収穫を語った。12月に山形県で開かれる東北大会を経て、来年1月末に長崎県で開幕する全国大会に、畠山さんとともに出場する。
小学3年生で将棋を始め、同6年生で移り住んだ大船渡市では、日将連公認気仙将棋企画の教室に通って棋力を高めた。大船渡を離れた現在も、週1回、同教室で平山支部長の指導を受けながら、大会での活躍と二段の段位取得を目指して鍛錬を重ねている。
今回の全国大会は、1、2年生のみが集まり、「同級生や年の近い人たちとの交流が楽しみ」と胸を膨らませる中谷さん。「目標は変わらず、予選を突破すること。勝負を楽しんで、自分の経験にしたい」と意気込んでいる。