感謝と決意を胸に作業 末崎中3年生 卒業・閉校記念しツバキ植える(別写真あり)

▲ 感謝や決意を胸に植樹を行う生徒ら

 大船渡市立末崎中学校(佐々木伸一校長、生徒71人)の3年生26人は6日、卒業と閉校を記念し、末崎町内で「佳芽里アクション(カメリアクション)」と題するツバキの植樹を行った。長い歴史を刻んできた学校への感謝と、新たなスタートに向けた決意を胸に、生徒一人一人が熱心に作業の手を動かした。(栗村勇翼)

 

 同校3年生は、末崎中として生活する最後の一年となる本年度、閉校記念としてさまざまな活動を計画しており、ツバキの記念植樹もこの一環。
 今回の活動には、一般社団法人レッドカーペット・プロジェクト(髙橋和良代表理事)が協力。同法人は、地元でのツバキの植樹活動に加え、ツバキを通したキャリア学習「椿学習」を小中学校を中心に展開し、4年前から卒業を記念したツバキの植樹活動への協力を行っている。今回は、昨年の椿学習も縁となって髙橋さんの同校への声かけから企画が持ち上がり、生徒らからの強い要望もあって実現した。
 「佳芽里アクション」のタイトルは、ツバキを英訳した「camellia(カメリア)」に、整っている、優れているという意味の「佳」、物事の起こる兆しを意味する「芽」、大地への根付きを想起させる「里」の3字をあてたもの。記念植樹を通して、同校の歴史を古里の大地に根付かせるとともに、生徒自身が成長し新たな花を咲かせるスタートとなる活動であってほしいという願いを込めた。
 生徒らは同日、植樹会場となる同町中森の市所有地へとバスで移動。同校の卒業生で、大船渡町の大船渡温泉を運営する㈱海楽荘の志田豊繁代表取締役が送迎を請け負った。会場では、髙橋さんをはじめとした同法人のスタッフ4人が生徒らを歓迎した。
 開会式のあと、生徒らはスタッフらに教わりながら人数分の苗を協力して植え付けた。悪天候により実施が危ぶまれたが、昼すぎからは晴れ間がのぞき、午前中の降雨も、土を植樹に適した状態に安定させる形で好転。絶好の〝植樹日和〟の中で作業が行われた。生徒らは、迫る卒業と閉校への思いやツバキの健やかな成長を願いながら各工程を丁寧にこなした。
 菅原翼姫さんは「震災で失ったものも多いが、ツバキが花を咲かせることで地元を元気づけたい。ツバキとともに成長する私たちの姿を地元の人に見守ってもらえたらうれしい」と話していた。
 閉会式では、髙橋さんが「つらいこともたくさん経験すると思うが、進路の先で頑張ってほしい。ツバキのように、ゆっくり、じっくりと成長してくれることを願っている」と、生徒らに祝福とエールを送った。
 これに対し、生徒らは『群青』の合唱を披露。植樹協力への感謝を伝えるとともに、地元への誇りを持ち続けながら、未来に向けて歩みを進めていく決意を込め、力強い歌声を響かせていた。