意見・要望聞かせて 市政懇談会スタート 12月18日まで11地区で開催

▲ 約1カ月にわたり、全11地区のコミセンを会場に行われる市政懇談会がスタート

 陸前高田市の市政懇談会は、11日に始まった。市の取り組みの現状を市民に直接説明し、各種課題に関する意見・要望を聞き取るのが狙い。12月18日(水)までに市内11地区で開催し、就任2年目の佐々木拓市長が市政を巡って、市民と直接意見を交わす。(高橋 信)

 

 市政懇談会は市と各地区コミュニティ推進協議会が毎年交互に主催し、地区コミセン単位で開かれている。
 本年度は、市が主催。例年は市側から特定課題として、市政に関する話題提供を行ったあとに意見交換に入るが、本年度は市民との懇談の時間を増やそうと、特定課題にかかる説明を省くこととした。
 初日は米崎地区コミュニティセンターで開かれ、町民ら約20人が参加。懇談では、参加者から佐々木市長の選挙公約の進ちょく状況に関して質問があった。
 このうち、大学誘致について、市長は「市の財源を使い、市立大学をつくるというものではなく、復旧・復興事業でできたさまざまな施設を有効活用するために、大学の機能の一部を誘致しようとのもの」と、公約の趣旨を改めて説明。そのうえで「さまざまな大学・企業に対して交渉を進めている」と答えた。
 少子高齢化、人口減の問題を取り上げる市民が複数おり、「古里に戻りたいが、仕事がないために戻れないという若者も多い。小規模でもいいから若者が働きたいと思う企業を持って来てほしい」と要望が聞かれた。
 佐々木市長は「地元で生まれ、学んだ子が戻ってくる際に働ける場所があることが重要。それを最優先に考えたい」と見解を述べた。
 第1次産業の振興策、人材確保策も話題に上り、林業関係者は「とにかく担い手が不足している。有望な人材が1次産業に従事するよう、子どもたちを指導する学校や教員の意識も変えてほしい」と求めた。
 これに対し、山田市雄教育長は市内中学校などで展開されている地場産業に触れる校外学習を紹介。「農林漁業は非常に重要な産業だ。引き続き、児童・生徒には魅力ややりがいを伝えていきたい」と語った。
 佐々木市長は「懇談会は年1回だが、いつでも意見を聞く姿勢を取り続けたい。意見をただ聞くだけではなく、できる限り生かすことができるようにしていく」と総括した。
 市は、懇談会に参加できない人や事前に意見・要望を提出したい人向けに、意見・要望をウェブ入力フォーム(別掲QRコード)で受け付けている。フォームで寄せられた声の一部は懇談会の会場で紹介する場合がある(氏名などは公表しない)。
 問い合わせは、市政策推進室(℡54・2111内線332)へ。
 今後の日程(カッコ内は開始時間)は次の通り。会場はいずれも地区コミセン。
 ▽18日(午後7時)=竹駒▽19日(午後6時30分)=横田▽27日(午後6時30分)=生出▽28日(午後6時30分)=下矢作▽29日(午後6時30分)=長部
 ▽12月16日(午後2時)=矢作▽16日(午後7時)=小友▽17日(午後2時)=高田▽17日(午後6時30分)=今泉▽18日(午後7時)=広田