合同ライブでジャズ熱演 大船渡SPOが花巻RYと 花巻で

▲ 合同ステージで音を重ねるSPOと花巻RY

 花巻市の花巻リズムヤンガー(佐藤薫代表、以下花巻RY)と大船渡市の大船渡サンドパイパースオーケストラ(吉田光也代表、以下SPO)による音楽イベント「BIGBAND SHOWCASE」は16日、花巻市のなはんプラザで開かれた。「岩手に新しいジャズ文化を」と昨年始まった合同ライブの第2弾。単独と合同の各ステージが展開され、出演者らの熱いセッションに観客が酔いしれた。
 イベントは、ジャズプレーヤーの高齢化や、後継者となる若手演奏家の減少などで県内のビッグバンド団体が減っている中、ジャズや楽器愛好者の裾野を広げようと企画。東日本大震災前から交流のあるSPOと花巻RYが手を取り合い、昨年に初回となる合同ライブ「潮風Jazz2023in廣洋館」を大船渡市三陸町綾里で開いた。
 今年は花巻RYがイベントを主管し、会場も花巻に設定。SPO、花巻RYそれぞれの単独ステージと合同演奏のプログラムを組み、合わせて40人余りが出演した。
 満員御礼の約200人が来場した中、単独ステージでは、各バンドが往年のジャズナンバーや映画音楽、ポップス等のジャズアレンジ、オリジナル曲などを演奏。
 このうちSPOは、吉田代表(68)が霧の漂う大船渡港をイメージして作曲した『Misty Ofunato Port of Midnight』のほか、観客の手拍子を誘うアップテンポな曲やソロなどを披露。被災した東日本大震災後の出会いや歩みについて伝える場面もあった。
 合同ステージでは、トロンボーンをフィーチャーした『Just Friends』や、軽快なスイングが心地良い『Big Swing Face』などを合奏。演奏を通じて心を通わせる奏者らの様子に、観客も気分を高揚させた様子で大きな拍手を送っていた。
 佐藤代表(58)は「ライブは大成功。楽器を吹いていて自分も楽しかった。これからちょっとずつでも、ビッグバンドを盛り上げていきたい」と語った。
 吉田代表は「まずは自分たちで行動を起こさないと、という思いで始まった合同企画。これからもご縁を大切にして続けていきたい」と次回を見据えていた。