297事業所で購入・消費 市のプレミアム付商品券事業 今年3~9月に2・3億円超流通

▲ 7000円分の商品券1セットを5000円で販売したプレミアム付商品券事業

 大船渡市が3月から販売したプレミアム付商品券事業で、9月1日までの利用による換金額は、流通額の99・62%に当たる2億3524万円となった。加盟店374事業所のうち、購入・消費があったのは79・41%に当たる297事業所。食料品やガソリンなど日常生活に直結する業種での利用が多かったが、事業者アンケートでは「まとめ買いが多かった」「いつもより高い物を選んでもらった」との声もあった。(佐藤 壮)

 

 プレミアム付商品券事業は、エネルギーや資材、食料品の価格高騰などによる事業者や市民生活への影響を緩和し、地域消費の下支えを図ろうと実施。通常販売期間でみると、新型コロナウイルスの影響対策として実施した令和4年2~3月、同年12月~5年1月以来の第3弾となった。
 7000円分の商品券1セット(500円の商品券14枚)を5000円で販売し、プレミアム率は40%。商品券1セットの内訳は、市内の小規模店舗で使用できる「専用券」と、小規模店舗に加え大型店舗でも使える「共通券」が各7枚。加盟店は374事業所444店舗だった。
 専用券は市内400を超える店舗・事業所が対象。共通券は大型店のスーパーマーケットやドラッグストアなど約20店舗でも対応した。
 市や事業を受託している大船渡商工会議所によると、3~4月の1次販売で約4800世帯が計1万3031セットを購入。その後、当初販売購入者のうち、希望者を対象に追加販売などを実施し、最終的には3万3735セットで、2億3600万円超となる47万2290枚の500円券が流通した。
 9月1日までに実際に利用されたのは2億3524万円で、換金率は99・62%。約8割にあたる297事業所で利用があった。
 業種別にみると▽大型店39%▽食料品・酒・菓子・コンビニ15・7%▽ガス・ガソリン・石油製品15・5%▽飲食・弁当・仕出し8・5%▽理容・美容4・6%▽衣料品・スポーツ用品・靴3・7%▽化粧品・医薬品・生花2・2%──の順となった。
 加盟店に対するアンケート(回答数141事業所)では、売り上げ向上に「大いに貢献した」と回答したのは21%で、「少し貢献した」は48%。「あまり変化はなかった」が31%だった。来店客数の増加に関しては「大いに貢献した」が16%、「少し貢献した」が39%、「あまり変化はなかった」が45%だった。
 市内の消費拡大効果については「大いにあると思う」が45%で、「少しはあると思う」が53%。「同様の事業があれば再度参加したいか」の質問では「参加する」が99%を占めた。
 客単価増加に関し「エアコンや電動工具など、高額の商品の動きがよくなった」「着物のクリーニングで利用があった」「米など単価が高い商品利用が多くなった」といったコメントも。意見・要望欄では「商品券を購入しても無駄遣いしない方が大半」「思った以上に財布のひもが固かった感じがした」との指摘も寄せられた。
 追加販売購入者向けアンケートには、1225世帯が回答。「どのような買い物やサービスで利用したか、または利用予定か」の問いでは、「日常の買い物やサービスに利用(1万円未満)」が89%で、「高額(1万円以上)な商品購入やサービスに利用」11%だった。
 「商品券利用で買い物やサービス利用の支出額が増えた」は56%で、「普段利用しない店舗や、利用したことがない店舗で利用した」は57%。意見欄では「物価が高くなっているのでありがたい」「継続して実施してほしい」との好評が目立ったほか、「利用期間を早めにしてほしかった。高校生の制服購入に使いたかった」との声もあった。