今季最多17隻入港で活気 市魚市場 三陸近海のサンマ185㌧水揚げ(別写真あり)
令和6年11月23日付 7面

大船渡市魚市場では連日、旬のサンマの水揚げが盛んに行われている。22日には今季最多の17隻が入港し、三陸海域で漁獲した計185㌧を水揚げ。サンマ船が着岸する南側岸壁をはじめ、ワンレイ側岸壁にも大型船がずらりと並び、青空の下に活気ある光景が広がった。
同日は地元内外の大型船が早朝から続々入港。岸壁では慌ただしく水揚げ作業が行われ、魚の入ったタンクを運ぶフォークリフトが行き交った。価格は1㌔当たり600〜293円で取引された。
市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)によると、サンマの累計水揚げ数量は、20日時点で5295㌧(前年同期比2300㌧増)、金額は(税込み)が25億770万円(同10億6238万円増)。昨年度の実績を突破し、4年ぶりの5000㌧台に到達した。
漁解禁当初は、大船渡から2昼夜半ほどかかる公海が主漁場だったが、徐々に日本近海にも魚群が来遊。今月は三陸沖にも漁場が形成され、同日は宮古沖から東の海域で漁獲したサンマを水揚げした船もあった。
地元の第二十一三笠丸の畠山英樹漁労長は「冷たい水が下りてきて、漁場は近くなったものの、全体的にサンマの影は薄く、1隻当たりの数量も少ない。今月いっぱいで漁は終わりかな」と話した。
一般社団法人・漁業情報サービスセンターが発表した本年度第8回サンマ中短期漁況予報(11月下旬~12月下旬)によると、道東海域では11月下旬の来遊量は減少し、12月上旬は断続的な来遊となり、終漁に向かう見込み。
三陸海域では、来遊量は低位水準で推移し、12月中、下旬は断続的となる。漁場は、12月上旬にかけて三陸北、中部、同中旬は三陸中、南部に形成される見通し。
大船渡では昨年、12月上旬までサンマの水揚げが続いた。今年は12月中旬まで三陸海域に漁場形成がある予報となっている中、どこまで数量を上積みできるか、今後の漁況が注目される。